第4回 「バランスの悪い靴・ローリングの強い靴」

バランスの悪い靴・ローリングの強い靴

現在、日本の靴市場では、意識的にバランスを悪くした多くの靴が販売されています。靴底が丸い形状をした靴や内部を柔らかく不安定な素材にした靴など、姿勢保持の為に行われる筋運動で代謝効果を高めて、ダイエットや健康づくりに役立てようと考えられた靴です。
でも残念ながらアメリカでは、過大広告として訴訟となりました、結果この効果が立証できず、メーカーが多額の賠償金額で敗訴したそうです。

このような不安定な靴は、バランスボールでの運動と違い、日常的に使用すると筋弛緩と無駄に偏った筋緊張の繰り返しとなり、身体の歪みを酷くしてしまいます。
綺麗なスタイルや歪みの無い体は、不安定な足元にする事や無駄な姿勢保持運動から築くことはできません。
元々が、誰でも左右どちらかに重心があり、その骨格による体軸が形成されている為に、この状態でどの様にバランスを取っても所詮、歪んだままの姿勢保持であり、筋力も同様に偏った筋肉となる訳です。
このような靴を履いていると脂肪の燃焼効率を高めるどころか、膝関節や骨盤への負担が大きく、痛みや凝りといった身体ストレスだけでなく、高齢者が使用すると転倒や疲労骨折の危険性も心配されます。

綺麗な姿勢やヘルシーな身体は、しっかりと安定した靴で体を支えてこそ、姿勢保持筋による正しい姿勢管理が行われて作られる身体です。
更に、重力に対して体の歪みが少ない真っ直ぐな整った姿勢ほど、少ない姿勢保持筋で立っていられるという事です。
ですから、ダイエット等を目的として不安定な靴を使用していた方も、姿勢を安定させて、整える方法に切り替えられる方が安全で早道かもしれません。