第4回 「バランスの悪い靴・ローリングの強い靴」

次に、ローリングの強い靴は前後バランスを取る為に、腹筋や背筋を使用しています。
筋力を高める効果はあるものの、前後への姿勢保持反応が遅れる為に危険性が伴います。
歩行時にローリングによる靴向きと脚部の股関節運動による膝の向きの違いから、下肢にねじれ運動が発生し、膝関節に負担が掛ります。
さらに理想とする腰を軸とした歩行ではなく、腰その物のバランス保持運動が行われる為に、過度な筋疲労や腰痛の引き金にもなります。
更に問題は、足部の踏み蹴り運動が行われなくなる事です。

靴底のローリングにより足首の曲げ伸ばしや後ろに向かっての踏み蹴りが無くなり、継続使用をしていると、素足でのつまずきや足元の血行不良となる事が危惧されます。
それは靴により転がるような歩行となる為に、正しい足部やふくらはぎを活用した歩行が出来なくなる為であり、足部のアーチ運動と下肢の筋肉運動の低下は、心肺機能や循環器の働きを補助できなくなる為に、様々な疾病・疾患の原因にもなりかないという事です。