第6回 足病は遺伝と人災

足病は遺伝と書くと大袈裟なようですが、骨格が遺伝による事から姿勢や重心位置、個々の歩き方によって実は、足病の大半が起きてきます。

慢性的に前側に掛かる荷重によって、タコや魚の目、ハンマートウなどが起きやすく、逆に後荷重になり過ぎると足の指が浮きやすい場合に浮指や巻き爪が発生しています。

そして足部の踵骨からの外向き足や内向き足による歩行や骨盤の前後位置などにより、骨盤の前後傾斜や内股、外股に関係してくる事から、外反拇趾や内反小趾などの足病も現れます。

次に足病の原因となる人災とも考えられる程に、現代人の足病に大きく関係している誤った構造のシューズがあります。
販売優先の考え方からファッションから起こった足に合わない形優先の形状や足部の機能を無視した構造的な過ちが有ります。

シューズのフィット感を高める為の土踏まずの持ち上がった構造や足を巻き込むアッパー素材の設計など、幾つかの構造が偏平足や開帳足を引き起こしている事から体の弛緩を引き起こして、姿勢の悪化やゆがみの進行を早めている現状があります。

足部の姿勢保持機能や衝撃吸収機能、循環促進機能など、体の重要な機能を低下させている現状があり、数十年も足部の機能を無視した状況は人災ともいえると思っています。

足部には足底腱(筋)という靭帯があり、足部の関節の上下運動や衝撃を和らげる機能、姿勢に張りを持たせる伸展系の筋膜リレーションの大切な土台部分になっています。

姿勢の悪化を改善する事が、全ての足病や体に起きるゆがみからの疾病を解決できる唯一の方法です。
その為には人間の持つ動物的な機能の回復が最優先と考えています。

足部のアーチを土踏まずの持ち上げによって潰している誤った構造のシューズを使用する限り、足部の機能低下は拡がるばかりです。
足裏にとって大切な機能は、足部のアーチ形状ではなく、アーチを形成している支点の保持力や保持反応が重要なのです。

骨盤位置の正しい位置への調整やそれによる重心位置の変化に伴い、
足裏のかかと、拇趾球、小趾球の骨の三支点で立つ事、足部の靭帯が活性して姿勢を常に鉛直方向に導ける事が重要な足病や体のゆがみから起きる数々の疾病に対しての解決法と考えます。

先ずは、理想の履物指導や足部の機能回復が重要で、姿勢改善や足病の回復には正しい歩行を指導する事からご提案しては如何でしょうか。