第5回 腰痛症①
一般的な疾病で常に上位にあるのが腰痛です。
腰痛の種類には様々なものがありますが、単純に、急性的なものと慢性的なものに振り分けると急性的なものには、
ぎっくり腰やスポーツ障害などがあり、慢性的なものには、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎分離すべり症や原因を特定できない腰椎症などが上げられます。
更には腫瘍や細菌の影響を受けたものや体の内外の疾患に関係したもの、精神的なストレスから発症したものなどです。
何れも発症すると厄介な代物で、常に身体にストレスがかかり、時には全く動けなくなる場合もあります。
職業的には、長時間の立ち仕事や座り仕事をされている方に多く、上半身を支えている状況により、痛みの部位や内容にも変化が現れます。
特に座位で腰痛症が起こりやすいのは、骨盤に歪みや揺れが起きやすい状況と腹筋、背筋に頼った上体の保持となるためです。
色々な原因が考えられると思いますが、私は身体の歪みによる筋肉や関節への負担が大半なのではないかと考えています。
歪みは循環機能の働きを悪くし、自律神経にも影響を及ぼします。
身体の歪みは、加齢による筋力低下や過度な筋疲労により姿勢が歪み、その姿勢を保持する為に、慢性的な筋緊張により体を支えます。
その繰り返しが筋ストレスによる腰痛症となります。
歪んだ身体での生活は、無駄に筋力による姿勢保持をしなければならず、運動を行うほどに悪循環となってしまいます。
更に最悪な腰痛の原因として、履物による姿勢保持力の低下が上げられます。
靴業界の過去のコンセプトによる履物の流行が、立ち続けられない子供たちや歩き方の崩れた若者を増やしてきたように感じます。
勿論、年配者の杖の使用や猫背や膝が前に抜けた姿勢を引き起こしたのも、現代のシューズの大半が、シューズ内に足裏に合わせた凸部を作る事でフィット性を高めようとした事に起因していると思っています。
フィット感の高いシューズ、それが逆に、足底腱を慢性的に押し上げてしまい、腱が弛緩させられることで、身体を支える姿勢保持筋の活動を妨げ、身体を歪ませているといえます。
甲の抑えの強いシューズや足を隙間なく巻き込む形状のシューズも同様です。
足関節の可動を巻き込みにより阻害し、身体の腱を弛緩させてしまうことから姿勢保持を困難にするばかりか、腰痛症の引き金となる歪みや過度な筋疲労を引き起こすことが考えられます。