第2回 骨格と重力について
人間の骨格形状は、遺伝と生活習慣・生活環境により形成されると言われています。
35年以上のスポーツ指導を行う中で、多くの親子や親子三代の家族と出会い、身体のバランス測定と調整を行ってきました。
その中である事が、ハッキリと確信できました。
それは、人間の骨格は、両親のどちらかの骨格と同様であり、バランス保持力や運動特徴がその親や祖夫母と同様に現れると言う事です。
生活環境がプロスポーツや一定の職業などにより、偏った環境にある方であっても、基本的な骨格形状は変わらずに、関節の可動範囲や筋肉の質や量に変化が現れる程度で、先々、筋力低下や加齢により骨格に歪みが生じる変化は、常に親子には同様の変化が現れると言う事です。
骨格形状が似ている訳ですから、当然、顔も似ているのは当たり前です。
荷物を持つ手や足の組み方、階段の上り下りで踏みだす足などが、運動特徴として同様に現れます。
また、身体の歪みから内蔵や腰などに負担が掛り、同様の疾病に繋がる場合も有るようです。
具体的には、先に行って詳しく説明しますが、足部の踵骨、親指付け根の拇趾球、小指付け根の小趾球を結ぶ足裏の足弓(アーチ)を土台として、脚部骨格形状や骨盤の位置や向きなどにより背骨が形成されて、身体全体の骨格形状となって現れています。
そして、地球で生活している全ての生き物には重力(引力)が掛っています。
簡単に表現すると地球の中心に常に引っ張られている力の事をいい、人間は何気に立っていますが、実は自身の重さを常に二本の足で地球を押し返す動作によって立っています。
また、座っている時には骨盤や大腿を土台に上体や頭部を姿勢保持コントロールする事で、座位のバランスを保持しています。
この重力は、物を安定させたり、物に質量というパワーを持たせる事が出来ます。
しかし身体の歪みや疲れ、様々な疾病や障害を引き起こしているのもこの重力が根本原因です。
この重力と上手にお付き合いする事が、明るく、楽しく、生きる秘訣ではないでしょうか。
重力は、地球の中心に向かって引き寄せている力です。
立っている時には数10センチの足元で、体重を支えて、上体の他方向への揺れをコントロールしています。
静止している時には、足を基点として腰又は上体がバランス保持運動を行っています。
更に運動時には腰が基点となり脚部を移動する事で姿勢を保持しています。
どちらの場合も、重力の負荷が鉛直方向から一定にある為に、身体バランスの軸と重力軸とのズレが少ない姿勢ほど、姿勢保持筋の使用量が少なくなり、疲れない生活となります。
そして身体の歪みや身体バランス軸と重力軸のズレを引き起こしている原点は、足関節が大きな原因と言えるでしょう。
足関節の衰えやそこからの歪みが姿勢保持を困難にして、慢性的な疲労や膝関節や腰への障害を引き起こしています。
遺伝や生活習慣・生活環境によって形成される骨格ですが、常に重力に対しての姿勢保持や運動を行う時の重力に対する意識と対処が必要となります。