100歳まで元気に生きる姿勢の話 #2『姿勢が悪化する理由』

元々、体のゆがみを持った人間にとって強い姿勢で生活する為には、重力の関係から
少しでも鉛直に近い姿勢を維持した生活をする事が理想となります。

人間のゆがみを持った姿勢は重力による負荷で更に姿勢が悪化する環境にあります。
一般的には悪化を防ぐために、運動による筋力強化や維持が求められていますが、
筋力強化によってゆがみの悪化を一時的に止めても、いずれは加齢による筋力の低下と共にゆがみは悪化してしまいます。

問題は、誤った構造の履物による弊害が姿勢を保持する為の機能を低下させている状況です。
足部の張りを無くしてしまう構造が体の弛緩を引き起こしてゆがみとなって機能回復を妨げています。

人間は四つ足動物と違い、踵が着地した事で二足歩行での生活が出来る様になりました。
この二足歩行の土台となる足部は、足底腱の張りを利用した拇趾球や小趾球でのコントロールを行う事によって骨盤位置や姿勢を築いています。

現在、世界中で使用されている履物の大半がファッションと売り易さからフィット感を重視した構造となっています。
インソールのアーチの部分を持ち上げた構造が足底腱の姿勢保持反応を低下させてしまい体の弛緩を引き起こしています。

この誤った構造の履物から歩行までも、人間本来の足踏みではなく、股関節から足を振る動きとなり、踵から着地した歩行に変わってしまいました。
この事によって脚部の関節の弛みから姿勢の悪化は元より、膝関節への負担が増大してしまいました。

下肢の足底腱と同様に前腕にも姿勢を保持する為の腱や筋肉があり、この部位に対してサポーターや衣服による圧迫を行う事によっても姿勢保持反応が低下してしまい、体は弛緩から強い姿勢を保つことが難しくなり、姿勢のゆがみが進行していきます。

次回は、この弛緩からの体のゆがみが起こす危険な状況を更に説明したいと思います。