2020コラム 第9回 浮指・開帳足・ハンマートウの原因と改善運動指導


遺伝による骨格形状から姿勢や日常での荷重位置、歩行時の重心の移動ラインなどが決定されています。また、現代人の履物は、ファッション性や製造コストの関係から人間の足部の姿勢保持機能を劣化させてしまう構造の履物が多くなっています。この事から後天的に発生している足病でもあります。
姿勢保持反応を低下させて、体の張りを弛緩してしまう履物の構造が後過重過の浮指、前過重過のハンマートウ、内外の縦アーチ機能低下からの開帳足を引き起こしています。
更に様々な足病までも、血行不良や圧迫から誘発しているとも考えられます。
人間の立位の基本は足裏の肉面ではなく、足裏の三点支持による骨での姿勢保持が原則です。遺伝や履物などが原因となって、足裏のアーチ構造が機能しなくなり、足裏が潰れた偏平足や開帳足となります。
支点保持が出来なくなると姿勢保持筋の運動低下から姿勢が悪化します。そしてその悪化した姿勢を足裏の指や足裏全体がバランス保持反応を無意識に行い支えているのがこの疾病です。
多くの医師や治療家までも、シューズメーカーの戦略から誤った構造の履物が当たり前と思わされているだけで、実は、偏った考え方だけで、人間にとって運動能力を高める為の足部の研究や履物の研究など行われて来ていない現状と言えます。
理由は、解剖学では三点支持で立位が形成した筈なのに、足の骨の構造を固定によりアーチ形成させる足底版を重視した事から始まってしまったと思われます。
足底版と真逆の三点保持理論のB-TRが、凡そ百年ほど前に考えられていたら、基礎研究が二手に分かれていた訳で、恐らく足底版の様な一時的なギブスの理論は無くなっていたかも知れません。
足病や姿勢保持に関係する障害には、履物の構造を知り、足部の機能改善が改められない限り、今後、何回も同じことを繰り返すでしょう。
足の裏から足底腱に張りを作り、内外への足部の回旋や返し運動により、しっかりした縦アーチを築く事で、同時に横アーチが形成されます。
足裏を自分の力(身体機能の活性)で形成する事で、姿勢改善は元より、様々な足病に対しての改善を行っていく事が理想と考えています。