2020コラム 第12回 むくみ・冷え性の原因と改善指導
どちらも循環機能の低下が原因です。身体の血液は勿論、リンパや水分も体内を循環しています。然し、現代の間違えた構造のシューズや体の機能を無視したファッションからの衣類が身体を弛緩させている事で下肢と前腕のポンピング機能を妨げているのが現状です。
身体の隅々まで酸素や栄養を送っている心臓からでた動脈は、直径2~3cmの大動脈から始まり、毛細血管へと流れています。流れる速さは、上行大動脈を秒速63cmでスタートして、下行大動脈では秒速27cm程度の速度で流れているそうです。
そして静脈は毛細血管から二酸化炭素と老廃物を集めて細静脈から静脈にまで流れています。そして、心臓に帰っていく大静脈でも、秒速11cm~16cm、毛細血管に至っては、秒速0.05cm~0.1cmと血液の戻っていく速さが全く遅くなっている事です。
心臓の吸引は弱く、足先の毛細血管から始まった手足の静脈の流れは、下肢のポンピング運動に頼っているという事、そして肩から先の腕は、指先の毛細血管から前腕のポンピング運動に頼って静脈の流れが補助されているという事実です。カナダの大学で握力の低下により心肺の疾患が20%近く多くなるという研究報告も有るくらいです。
体幹の循環は心肺で対応し、腕や脚部の循環は前腕と下肢の筋運動により補っているという事実から、単純にその部位を活性させれば補助効果が高まると考えてしまいます。
然し、問題はそこではなく、一般に市販されている土踏まずの盛り上がっているシューズやフィット感を高めたシューズが、身体の弛緩を引き起こすだけでなく足底腱からの脚部の循環運動に対しても妨げになっているという事実です。
簡単な説明すると手が握れなくなった段階で手先への循環機能が悪くなり、足部では素足感覚の様な足の弾みが無くなった段階で脚部への循環機能が低下してしまうという事です。
むくみや冷え性の改善には、足部の運動が大切です。また、座位でも片寄った荷重負荷による循環機能の低下を起こしたくありません。その為にも「B-TR」や「楽座衛門」を活用した循環機能促進を行う事で、無意識な活動や座位の中からでも、むくみや冷え性の改善は元より、健康づくりに役立てる改善指導と言えます。
別コラムで掲載の「拮抗伸張」が姿勢改善は勿論、毛細血管に対しての刺激や循環機能の改善に大きな効果を期待できます。「手伸び」「足伸び」の様な張り運動が現代人には必要となってきています。