第8回 スポーツ傷害の原因について
遺伝や幼児期の成長過程により各々の骨格形状が形成され、その後の生活習慣等により、各関節の可動範囲や筋肉が作られてきます。
運動を行う場合、身体バランスの違いにより左右の筋力や神経系の働きにも関係し、体重移動やスピード・パワー・回旋に格差が生じます。それが個々の運動特性となって、歩き方や運動時の特徴(癖)となって表れる訳です。
持って生まれた骨格形状が生涯の土台となる為に、運動の強い方向や弱い方向、身体の運動特性や怪我の部位や種類までも、実は推測することが可能なのです、身体の骨格形状は、正直に運動特徴やその運動特徴からの障害やその部位の答えを出してくれます。
運動を起こす場合、最も重要となるのが骨盤です。
そして、その骨盤の運動を引き起こしているのが足部のアーチであり、身体の様々な運動特徴を左右しているのも足部をベースとした下半身である事を理解してなくてはなりません。
身体バランスが悪い場合、重力や抵抗に対して、各々が無意識の内にバランス補正運動を行っています、身体の歪みや身体特徴に対して、無意識にバランス補正運動を行っていることが、各部の筋肉疲労や関節痛、スポーツ障害などの発生の原因となっている場合があります。
勿論、スポーツ傷害の原因には、様々な原因がありますが、環境整備や身体バランスを理解した上でのスポーツ指導やプレーを行うことで、多くの傷害は防ぐことができると考えています。
スポーツ傷害の原因
1 環境的な原因
環境の不整備、安全性の欠如、他スポーツとのスペースの共有
2 人的な原因
格闘要素がある場合、過信、無計画、精神不安定、采配ミス
3 用具が原因
用具選択(技術、パワー、サイズ) メーカー(開発ミス)
4 骨格形状が原因
骨格による運動特性に逆らった運動を行った場合
5 指導内容が原因
指導者が骨格形状の違いによる運動特性を知らない場合
画一的な技術指導を行った場合
指導者の運動理論・用具理論に対して研究不足
スポーツを行う上で、自分から選んで守れるのは、2くらいでしょうか
自分の骨格形状から起こる特徴を知っている事、正しい用具理論を持っている事、
とても難しいことだと思います。だからこそスポーツ環境を作る方々、スポーツ指導者や用具を提供するスポーツ業界の役割が重要なのです。
スポーツ指導者に至っては、もっと体の事や用具に対しての認識を深めて、選手個々の体に合った指導やその対象者に適した用具を選択する役割が求められます。