第9回 変形性膝関節症は歩行を変えれば改善できる
現代人にとって、変形性膝関節症は年代に関係なく大きな問題となっています。
膝関節の弛みから結果的に膝関節内の軟骨が擦り減ってしまい、支えている膝周りの靭帯に痛みを感じると言われています。
膝痛の原因は、個々の骨格形状や体重による負担から障害となる場合、スポーツ等での怪我が原因となっている場合など様々と思いますが、多くの変形性膝関節症の患者さんが回復、完治できない原因の一つに歩行があります。
足裏の持ち上がったフィット構造のシューズやその様なシューズで歩く為に起きた「踵から着地して大股で姿勢良く歩く」が回復・完治出来ない大きな原因です。
そして本質を知らない医師やスポーツ店の方、シューフィッターの方までも常識であるかのように指導している事が最悪な現状を引き起こしています。
コラムでは何回も書いていますが人間の歩行は足踏みが基本です。人間は動物的な機能から重心を移動させるだけで、必ず、重心の真下に足が着地する様につくられています。
人間の姿勢保持は足部で地面を押し返す事で成り立っているのですが、踵着地の歩行は膝関節を曲げる事により前足に乗り込みます。
この受動運動が人間の本来の立つ動作ではなく弛緩を引き起こす動作である為に、歩行するごとに膝関節は弛み、回復どころか悪化する原因となるのです。
つま先側から着地する足踏みを基本とした歩行を行ってみてください。
常に重心の下に無意識に入ってくる脚部は、重心が乗った時に伸びている事が大切です。
足元から脚部を伸展させて足に乗り込み歩く事で、膝関節の弛みは無くなり、弛みが無くなる事で痛みや体の揺れも起こさないで歩く事が出来る様になります。
特に人間の脚部の骨は二足歩行で歩く為に、脚部の関節を曲げて歩く四つ足動物の受動した歩き方は適していません。
足首から膝、股関節としっかりと張りを持って歩けることで、骨盤位置も安定した位置に収まる事から、姿勢の改善にも繋がります。
痛みのある歩行から痛みを無くし、綺麗な姿勢での歩行に切り替えては如何でしょうか。
膝の痛みをお持ちの方は、是非、爪先側から着地する歩行にチャレンジしてみてください。