特別コラム『マスクと姿勢の話』
動物の身体は、外敵から身を守る時、お腹を守るように小さく丸くなります。
人間も同様にお腹が痛いときや痛みをこらえる時に小さく丸くなります。守りに入ると体の前面にある臓器を守る動物的な本能がその様にさせていると思います。
新型コロナの影響からどこに行くにもマスクを手放せない状況となっています。
マスクの着用は自分の感染防止というよりも、自分が感染していた場合の周囲への感染防止の観点からマスクの直用を行っているものです。
更に、マスクだけでなく、完全防備の医療関係者でも完全な感染防止は難しい訳で、多くの医療現場での感染者が出ているのが現状です。
マスクは重要ですが、このマスクがスポーツの分野では、酸素の供給量の関係から脳や体全体への血液循環に危険な影響が出ている事も言われています。当然、脳への血液循環が悪くなると、集中力が落ちてしまい思考能力まで低下してしまいます。
更にマスクをすることで、文頭に書いた体を守ろうとする本能が体を丸くし易い状況も作っています。姿勢の悪化は呼吸器系の喘息や肺へのストレスを起こしてしまうとしたら、世の中の健康の為に着用しているマスクが不健康な身体を作ってしまう事にもなってしまいます。
自然の中で、密もなくマスクを外していられる環境にいる時には、是非、お勧めしたいのが 胸式呼吸です。鼻から息を思いっきり吸い込むことが重要です。胸式呼吸は横隔膜を引き上げながら息を吸い込むことで胸郭が開く事がポイントです。
胸式呼吸は、多くの酸素を取り入れる効果が高く、活動時には向いている呼吸法と言えます。
また、その時にお腹が膨らむ方は腹式呼吸となっているか、姿勢が悪いかです。
腹式呼吸は、横隔膜の上下運動は行うのですが、基本的に息を吐く事の方が中心となり、
体の弛緩やリラックスを求める時に有効な呼吸法です。
活動時とリラックス時と使い分けられると良いですね。守りに入った内向きの呼吸にならず、マスクをしている時にも姿勢の悪化を気にしながら、時々、鼻から姿勢が上に伸びていく様な呼吸を心がけてください。