2019 第2回 コラム「正しい歩き方」の理論 2
本来の歩行時には足部の靭帯の伸縮により、踏み蹴った足は甲から引きあがる動きが現れます。
そして重心の移動する場所に向かい無意識に足を差し出します。足の爪先側から着地させることで、正しい足の向きや歩幅、歩隔を整える事も出来ます。これは、歩行姿勢を正しく整える重要な要素で、踵からの着地による歩行では生涯得る事の出来ない姿勢です。
そして重心の移動する場所に向かい無意識に足を差し出します。足の爪先側から着地させることで、正しい足の向きや歩幅、歩隔を整える事も出来ます。これは、歩行姿勢を正しく整える重要な要素で、踵からの着地による歩行では生涯得る事の出来ない姿勢です。
重心と共に伸展筋を活用した歩行を行う事で膝や股関節が伸ばされた歩行となります。当然、常に重心と一緒に移動する膝関節の揺れは勿論なくなり、張りのある綺麗な脚部の動きとなります。本来、人間の身体は守りの意識や動きを行う程、動きに弛緩が多くなり、制動に近づきます。逆に攻めの意識や動きは、重心移動に伴った体の動きが、伸展系の動きによって各関節の揺れを少なくして、スピーディーな張りのある移動運動となります。
足部の靭帯を活用した歩行は、足首関節の動きが主体となった歩行となります。当然、「第二の心臓」と言われる下肢の筋伸展収縮運動が行われる訳で、歩行が心肺機能や呼吸器系の働きを補助促進させている理由は、そこにあります。
下肢の運動は、弛緩した時には、ふくらはぎの筋群が下部にあり、伸展した時には膝関節方向に引きあがります。歩行時には勿論の事、立位での姿勢保持でも同様の筋伸展や弛緩が交互に行われてポンピングをしています。静脈やリンパ、体の水分を上に引き上げる循環運動を補助している訳です。
立位での生活となった人間にとって股関節から先の脚部からの循環を補助する運動は、他の動物には見られない運動で、これによる心肺機能や自律神経に対しての働きは計り知れません。勿論、肩から先の腕の循環は前腕の筋肉の動き(握力運動)によって、体幹への循環を促進しています。
四つ足動物だった人間にとって、前足(腕)と後足(脚)は、未だに双方で体幹を支え、運動を行う為の神経や筋膜の連携が行われています。それだけ手足の動きが重要であることは十分理解できると思います。ですから、伸展筋を活用した正しい歩行と誤った踵からの歩行とでは、姿勢を築いて生涯を歩行運動と共に全うする為にも、全く違ったものになっている事を知って欲しいです