第1回 姿勢と姿勢保持筋の関係
地球で暮らす人間や全ての物に、常に重力という鉛直方向からの負荷が掛っています。
元々、人間の身体は誰でも前後左右への重心のズレや骨格特徴を持って生きています。その関係から筋肉量の低下や姿勢保持筋に緩みが生じると姿勢保持筋での姿勢保持が難しくなり、外側にある運動筋まで活用して姿勢を保持しなければならなくなります。
これが慢性的な筋肉痛からの腰痛や姿勢保持力が低下した為に起こる身体のゆがみと関節痛などの疾病の原因になると考えています。だからこそ、変形性膝関節症や腰痛症などの疾病が、本来の理由も分からずに病名としてまかり通っているのではないでしょうか?
何故、もっとゆがみの無い、鉛直な姿勢で暮らせないのでしょうか? 答えは明白です。
未だかつて、足裏からの姿勢保持に注目して、その機能を活性させる考え方や手法が無かったからと考えています。更に、足の裏に合せてインソールや靴の内底に盛り上がりがある構造や足を巻き込んだ履物の構造が姿勢を安定できると考えられてきています。
しかし、この構造は、身体を支えている姿勢保持筋や拮抗した腱の弛緩を引き起こして、転倒や障害、姿勢のゆがみの原因となるだけでなく、循環機能が低下する事から様々な疾病に起因しているとも考えられます。
足元の足底腱からの姿勢保持が出来ていないと、重力からの自重に耐えられなくなり、猫背や側弯、反り腰、回旋などのゆがみとなって現れます。そして、年齢と共に筋肉量の低下からゆがみは強くなり、その姿勢のゆがみを支えるために、歪んだ姿勢の中で身体が少しでもバランスの取れる姿勢を作ろうとします、それが結果的に重力によって潰された「老人体型」になってしまうと考えられます。
この様にゆがみが強くなると体中の運動筋まで使って姿勢を保持するようになり、慢性的な筋疲労となることから、コリや疲れの原因となるばかりか、過度の運動筋の筋力低下や関節障害を引き起こし、要介護となる危険性もあります。