第8回 重心の左右バランス

二十数年間、オーダーメイドインソールの理論を構築しながら、体幹・体軸といった身体の芯を感じさせた姿勢作りを多くの方々に提供してきました。その中で、人間の大きな特徴として、誰でも必ず、左右どちらかの足に近い所に骨盤や重心が位置している事です。

これは足部の状況や脚の骨長・骨盤の大きさや傾きによってつくられています。勿論、基本的には遺伝により、どちらかの親の骨格に類似して起きている現象です。

 

この重心の左右位置により、荷物を担ぐとき、持つときの左右側が決まってきます。また、全ての身体を支える動作や反射的な運動を起こす場合の運動特徴となって現れます。

よく腰を入れて物を担ぐとか言われているように、常に重心の位置している側で強い運動が行われています。重心の位置している軸足とは、走っている状況から急に止まった場合や高所から乗り出して下を覗くような場合に必ず前側で支えている足となります。

この軸足側の腕や足は、体軸に近いために強い運動が可能となりますが、常に荷重している為にその足を移動する場合の初動が遅れる特徴があります。

逆に、軸足と反対側の脚部や腕は、軽やかな動きや動作が可能な反面、体軸や体幹を感じ無いままに運動を起こすことも多く、腕や脚部に傷害を起こしやすいという特徴もあります。言い換えると強い運動や重さに対応する動きや反応が弱いという事です。