第2回 重力とお付き合い
足裏に必要とされるアーチ(足弓)は足底腱によって作られています。その弓の弦となる足底腱を押し上げてしまう構造や足部の関節群を巻き込んでしまう履物の構造が、姿勢保持筋の働きを妨げて、姿勢保持を困難にするばかりか、足部のバネ機能や大切な循環促進効果まで影響を及ぼしてしまいます。その結果、心肺機能の低下や血液の循環障害、自律神経障害など多くの障害が発生する事も考えられます。
生涯健康な姿勢を保ち、楽しい生涯を送るためのキーポイントは、重力を人間の身体が歪みを引き起こす負担と感じるか? 綺麗な姿勢を作るための外力と感じるか? にあります。身体の重さを足裏のどこに感じていなければならないかが重要な事であり、重さを足部に感じる程、体幹や姿勢が整っているという事であり、頭部や上体など身体の上の方に重さを感じるほど、体幹が弱っている状況となります。
人間は、足裏の踵、拇趾球(親指の付け根部分)、小趾球(小指の付け根部分)の三点で立つ事によって、二足歩行も可能になったと言われています。日常から足裏のこの三点を感じて土台とした生活を行うことで、足裏の三つのアーチが常に反応して、無理無駄の無い姿勢保持を行ってくれます。また、この三点はカメラの三脚の支点であり、この上にある台座となる距骨(脛骨が乗っている骨)が、この三支点が作るトライアングルゾーンの中にいる限り、三脚同様に足首関節は、揺れの無い安定した土台としての足部を形成してくれます。
また、座位の場合は坐骨と大腿で土台を形成していますが、座って柔らかく気持ちの良いクッションでは、更に体の歪みは酷くなってしまいます。
脚部の長さや足部のアーチの関係、股関節等から骨盤の前後傾や左右傾斜、左右回旋が作られている為に、各自にあった骨盤の傾きや回旋調整が必要となります。
坐骨調整シート楽座衛門は、各自にあった骨盤の傾斜角度や向きを調整する事が可能です。誰でも長時間の座位が疲れなく続けられるばかりか、正しい骨盤の土台が、無意識に座位での姿勢を、鉛直な姿勢に整えるように開発されています。
重力を意識し、外力として鉛直な姿勢保持に利用する事で、立ち姿勢や座り姿勢に無理無駄の無い、綺麗な姿勢を築き、生涯自分の足で歩き、歩き方や座っている時にまで、落ち着きや品格が現れるような姿勢づくりを楽しんで頂きたいと思います。