第4回 履物革命2

3)足の甲は、履き物との一体感を作る為に、適度に押さえる事が良い。

上記と関係する内容ですが、アッパー部分の巻き込みと同様に、靴ひもの締めすぎが、足部の上方向への靭帯収縮による弛緩を妨げて、足の持ち上がる運動を阻害してしまいます。

靴ひもを締めるほど、靭帯が伸展状態で慢性的弛緩となり、足部の上下運動も出来なくなる為に、足部のバネ機能や姿勢保持力が低下し、外側の筋力に頼った姿勢保持が行われることとなり、それが、過度な筋肉痛や持久力の低下、関節障害などを引き起こしている訳です。

4)歩行が楽で、つまづかない為にも、靴の爪先部分を上に上げる構造が良い。

各メーカーが指導している歩行時の踵から歩く歩行理論が、人間の足部の機能を守り、活性させる為の物ではなく、靴の為に行った様々な上記の構造による弊害となり、その結果が足部の機能を妨げて、踵からの歩行やつまづかない為に爪先部分を上げる構造となってしまった様です。爪先部分が上に上がっている事で、最後までキックすることや浮き指(反り指)となる事からその後の足部の弛緩まで妨げてしまい、逆につまずく現象が起きやすくなります。更に、元々の各人の歩き方は、各アーチの状況による踵骨の向きや骨盤の前後傾、左右傾、股関節と大腿骨の関係などによって歩行運動が形成されて、様々な歩き方をしているのが現状です。本来足部には、バネや伸展運動が備わっている為に、はだしの状況では、人間は爪先側から着地して歩くように創られています。そして、この歩き方こそ、誰でも真っ直ぐに歩く事が可能な歩き方であり、体を守れる歩行であると考えております。

現在の「常識」となっている流行や過度の満足感ではありません、人間にとって大切な靴やインソールとは、立ち続けられる為の足裏の機能や運動を阻害しない事、そして、足裏のアーチや下肢の筋運動を活性させる事、それが「良識」なのです。

理想の履き物は、足部の伸縮や上下運動が自然に行える履き物であり、体を守り、運動機能を発揮させる為の構造をもった履物です。

bana