第4回 履物革命2
1)足裏のアーチ部分にサポート(高さ)を付ける事で、崩れたアーチを形成する
足部は多くの関節により形成され、様々な筋群により三つのアーチ(足弓)が作られています、この三つのアーチを形成している靭帯が伸縮を行う事によって、姿勢保持は元より、膝の向きや骨盤の前後左右、回旋動作を始動しています。
実は、現在「常識」とされている履き物やインソールのような、足裏のアーチ部分にサポートが付いている構造では、靭帯の伸縮運動の妨げとなり、足底腱膜の伸展状態での慢性的な弛緩を引き起こし、バランス保持が困難となるばかりか、筋疲労や身体ストレスの原因となり易く、将来的に加齢による筋力低下が始まると歪みや歩行困難となる事も考えられます。また、「第二の心臓」言われている下肢の筋運動が低下すると冷え症やむくみ、心肺機能への負担も多くなります。
2)足と履き物をよりフィットさせる為に、土踏まず部分の幅を狭くして、靴のアッパー部分(靴の立ち上がり部分)と足との巻き込みを強くする。
靴の土踏まず部分を狭くすることで、靴のアッパー部分を足に巻き込み、フィットさせることが出来ます、多くのシューズメーカーは、ランニングシューズやサッカーシューズなど、この考え方を根拠に、製作販売しています。しかし、この足への巻き込み構造が、疲れや障害を引き起こす体のゆがみに起因していることは、あまり知られていません。
足の親指の付け根にある母指球と小指の付け根にある小趾球の間には、横足弓、俗に横アーチと呼ばれている足部のバランス保持の為の構造があります。この横アーチは、足部関節と横アーチの支点(母指球と小趾球)と踵骨を結ぶ内と外にある縦アーチの関係で成り立っているもので、三つのアーチが同時に機能することで姿勢保持や衝撃吸収、静脈の循環促進が行われています。土踏まずの幅を狭くしたり、アッパー部分の巻き込みを強くすることで、足部の靭帯の伸縮運動を妨げ、横アーチを形成するための中足骨(中間部分の指骨)を押さえてしまい横アーチが形成できなくなり、自動的に膝関節の左右への揺れを引き起こしてしまいます。言い換えると不安定な下肢がとなる為に、筋肉に頼った脚部運動となり、継続使用することで、筋ストレスは勿論、膝関節症や腰痛症の引き金になるということです。