第6回 「アーチは形成か?育成か?」
「アーチの形成とは」
一般的なインソールの考え方は、医療分野の足底板がベースとなっています。今や世界中のインソールや靴の内底も、この足底板がベースとなっています。
足底板は、足裏が何らかの障害によって足弓(アーチ)を維持できなくなった場合に、アーチの中心を持ち上げる事で落ちてしまったアーチの形状を修復し、バランス保持に役立てる形成的な技術です。
内側縦足弓の形状を修復する場合が比較的に多く、内側のアーチサポートを3~5㎝の高さを形成してと足の形を作ります。
医療分野の形成的な足底板の技術で、多くの障害者が歩く事が可能となっています。
しかし、一般的なインソールの場合には、過度なアーチ中央部分の立ち上げや足裏と同様の形に形成してしまうことが本来のアーチの上下運動を損なうと共に、使用頻度によっては足裏のバランス保持能力を衰えさせてしまう結果になってしまいます。
理由は簡単です、本来は上下に動く事でスプリングや循環ポンプ等の役割を果たしているアーチの中央部分を持ち上げてしまう事で、アーチの運動が制限されてしまい、少ない上下の活性運動しかできない為に、徐々にバランス保持の筋力が衰えて、バランス保持に対応する反応まで遅れる事になってしまう訳です。
偏平足の症状を持っている方の場合に、このようなインソールでは足裏の突き上げが強すぎて、アーチを形成するどころか、中足骨に無理な圧力が掛り足を痛めてしまう場合もあります。
足裏に合わせた形状のインソールの場合、フィット感や足裏の接地感覚が強くなります。
ベタ足となる訳で、大変気持が良いのですが足裏の面で立つバランスを保持する為の支点がなく多方向への移動が出てしまい、常にバランスを保持している運動が要求されます。
足底板から始まったオーダーメイドインソールや靴の内底の形状も、物の豊かさと共にエスカレートして、年々、強い形状の物も出てきています。
いつかこのエスカレートした測定に対する対応にチェックが入る事でしょう。