第1回 「足部からの身体バランス調整」
足裏の各足弓は柔軟に上下動を行う事により、身体のバランス保持は元より、下肢の循環器の働きを補助する役目を果たしている。然しながら、現在普及されている履き物やインソールの大半が各足弓部分が高くなっている為に、足弓の上下運動の妨げになっているばかりか、内側縦足弓部分の高さや硬度が堅い場合など、足底筋膜炎や中足骨損傷を引き起こしている場合もある。理由は、このような履き物やインソールでは足裏の肉全体を使った面でのバランス保持となり、足部運動が鈍化し、筋肉反応・姿勢保持意識に遅れが出てしまう事が原因といえる。
履物は、流行や素材の開発により、華やかで身体にフィットした物が多くなったが、逆にその事が原因で足部障害を引き起こしている場合もある、本来的な履物は、人間に課せられた重力の中で、二足歩行の原点に立った考え方から正しい歩行や少ない筋力による姿勢保持の追及を目的にしなければならないが、残念ながら現実はビジネスを優先した、ダイエットや代謝効果といった流行に便乗した不安定な履物やインソールが主流となっているのが現状である。