第5回 股関節のエクササイズ1
第5回 股関節のエクササイズ1
骨盤と脚部の前後左右運動
バランス年齢というバランス保持力の状況で年齢を割り出す測定方法があります。
テスト方法は骨盤位置を前や後ろにどこまで移動できるか?というテスト方法で行います。
加齢とともに足裏からの姿勢保持力と柔軟性が衰えてしまう為に、骨盤を前後左右に移動できる範囲を測定する事で、その割合を年齢の目安として判断しているテストです。
立ち姿勢でも歩行時でも、日常の大半が股関節を活用して姿勢保持を行っています。その為に股関節の動きが硬くなると骨盤と大腿骨の動きが制限されてしまう事から同時に運動が起きてしまい、お尻まで振られた歩行になる場合や上体に揺れが起きる場合などがあります。足が上がらずにつまずきの原因となる場合や足の動きが悪くなり、歩行困難となる場合、仙腸関節痛からの股関節痛や股関節脱臼などの疾病となる場合もあります。
立位の場合には、足裏のアーチ運動が初動となり、股関節を活用して骨盤位置をコントロールしている訳ですが、股関節がスムーズに稼働しなくなると重心が軸足の外側へ流れる度合いが大きくなり、杖を使用しなければ歩けない体となってしまいます。
また、過度な内股や外股で股関節の動きが硬くなると脚部の動きに上体の回旋が同調した歩行となってしまいます。更に歩行時の足の内向き、外向きとの組み合わせから歩行障害となる場合も考えられます。
このエクササイズは、腰を移動させるエクササイズと骨盤を止めて脚部を運動させるエクササイズに分かれます。この運動は股関節の可動域を拡げる事を目的としているのではなく、日常の股関節の可動域を維持・継続させる事を目的としています。
1 腰を移動させるエクササイズは、机や手ごろな椅子に掴まります、次に足を肩幅くらいに開いて、上体を前かがみにします、膝を曲げないように骨盤を前後左右または大きく回旋します。これが、腰の移動による股関節エクササイズです。
2 脚部を運動させるエクササイズです。掴まり立ちをした中で、脚部の前後運動を行います。
骨盤の前後傾斜により脚部の振ることができる範囲は変わります。股関節は、基本的に前側に
は可動範囲(角度)が大きいのですが、後側には15°程度しか可動しません。
a 基本運動
脚部の腱や靭帯により運動が制約される為、前側に脚部を持ち上げる際には、膝を
曲げて行い、後側に脚部を振る場合には、膝を伸ばして行います。
b ストレッチとしての運動
上記と逆に前側には膝を伸ばして、後側には膝を曲げて行います。
c 脚の前後振り
膝を伸ばした状態で骨盤は動かさず前後に足振りを行います。慣れてきたら、足の
向きを内向きにした場合、外向きにした場合での足振りを行います。