第4回 靴に起因する足病や体の歪み

靴は元々、人間の活動範囲を広げ、体を守るために考えられました。しかし、その靴が人間の身体を蝕み、足病は元より、現代病や生活習慣病に起因している場合がある事は、余り知られていません。

更に姿勢保持力を減退させる事が体の歪みを作る要因となっている事も有ります。

人間は動物であることは勿論ですが、未だに四足当時の名残をしっぽや体毛の生え方などに残しています。四足から二足の立位になったとはいえ、地球の生い立ちから考えれば、ようやく立ち上がれた動物のレベルであり進化の過程一部に過ぎません。

そんなレベルの人間なのに、シューズビジネス界やファッション界で作られた誤った構造の靴により、人間本来の機能や能力を低下させてしまい、様々な足病や体のストレスを引き起こしている現実があります。

その現実に対応するために、靴業界の常識を覆す理論の啓蒙や人間の機能の回復は元より、質の高い姿勢や生活を行える環境作りが必要と考えております。

 

骨格には、幾つかのベースの形がありますが、足部の三点支持(踵、拇趾球、小趾球)に関わる足底腱(姿勢保持筋)の反応により、骨盤の位置や方向が定まり、体幹や体軸といった姿勢を確保する為のラインに大きく影響を及ぼします。

靴の形状による指や甲への圧迫、内底部分の凸部形状による足底腱の弛緩、靴の低反発性を

求めたことによる靴の不安定感、この様々な要因が、体の姿勢保持筋の働きを低下させてしまい、スポーツ選手の障害や女性の歩行障害、年配者の筋肉の衰えからの身体の歪みを発生させています。

 

その靴が起因している足病には、外反母趾や内反小趾、浮指やハンマートウ、魚の目、タコ、

偏平足などと上げれば切りのない程に足病はあります。そして、その殆どが骨格からくるもので、通常の体型や歩行などが主要素となっている所に、靴が引き起こす弛緩や圧迫などにより、その部位に発生していると思われます。

靴の弊害がもたらす、足部や足首関節が十分に使えない環境は、「第二の心臓」と呼ばれている下肢の循環促進機能の働きも阻害してしまい、むくみや冷え性は勿論の事、心肺機能への負担や血行障害などの疾病にも発展してしまう事も考えられます。