第3回 誰でも体は歪んでいる
第2回のコラムにも書いていますが、人間の身体は、誰でも歪んでいると考えられます。
元々、人間の身体は遺伝によって骨格が形成され、環境によって関節の可動範囲や筋肉の質や量が作られます。身体の内臓に左右の違いがあり、生活習慣に右手前や右利き、左利きといった偏った運動特徴がある事も何らかの原因かもしれません。
身体の体型的な特徴としては、骨盤の前後左右への傾斜や左右どちらかに骨盤が位置している事、更には腰椎、胸椎の構造上の特徴により、前から見たときに、C字型体型、逆C字型体型、S字型体型、逆S字型体型、右傾斜体型、左傾斜体型の凡そ6パターンが考えられます。更に、この体型の中で前後重心や左右軸の変化、骨盤位置や向き、上体の傾斜や向きが現れます。
幾つかの体型(骨格形状)が、どの時代で、何世代前から始まったのかは、全く見当も付きませんが、逆に、体のどの部分がどのような変化するとその体型になるのかは、容易に想像できます。人間の立位は、足裏の踵、拇趾球、小趾球の三点により骨盤が支持誘導されています、そして骨盤は、上体をコントロールする土台として成り立っています。足裏の三点支持から始まる腱や靭帯・筋肉は、身体中に巡っていて前後左右面において、関節の運動と合わせて常に拮抗した状態で成り立っています。
この拮抗した腱や靭帯・筋肉のバランスが崩れると体の歪みが現れてきます。
一般に、骨盤の移動や回旋を行っている部位が腹筋や背筋、骨盤周りの大殿筋や側筋と思われがちですが、実は骨盤の運動は、足部のアーチ運動によって始動されています。
このように足裏の腱や靭帯の動きによって骨盤がコントロールされている事から、基本的な足裏の三点支持やそれに伴う足底腱が適正に機能すると骨盤位置は、両足の中央に近づき、正面を向いた位置にコントロールされます。左右の足裏の状況が崩れていると骨盤は、前後左右に移動するのは勿論、前後傾や左右傾、回旋までも起こしてしまいます。
その結果、腰椎、胸椎の立ち上がり方が変化してバランス補正を行う為に、その結果が歪んだ体型となってしまいます。この歪んだ体型を重力に負けない強い体にする為には、足部の腱や靭帯を活性させて足元の土台をしっかりとさせる必要があります。足裏の踵、拇趾球、小趾球の三ケ所の支点の押し返し運動がコントロールされることによって、鉛直で綺麗な姿勢を取り戻すことが可能となります。BALANCE工房のオーダーメイドインソールは、このような理論をベースとした調整技術によって、お客様の理想的な姿勢を求めて製作されています。