第10回 横アーチが現代人の姿勢悪化を止める (内返し運動と外返し運動)

現代人は誤った構造の靴が原因となった足部の機能低下は、姿勢の悪化は勿論、現代病、生活習慣病を引き起こし、慢性的な体の緩みは、免疫力の低下や自律神経の不安定な生活を引き起こしています。

姿勢の土台であり、循環機能を補助する大きな役割を持っている足部、特に横アーチの低下が土台を崩している原因となっています。横アーチの低下は、拇趾球、小趾球の支点保持力や押し返し運動ができなくなり、足部の運動での骨盤誘導ができない事から姿勢のゆれや無駄な運動筋での姿勢確保からの凝りや疾病の原因となっています。

足の拇趾球、小趾球を結んだ靱帯は元々無い為に、横アーチを築く為には、内外の縦アーチの靱帯の運動を高める必要があります。横アーチの運動とは、内返し運動(足裏が内側を向く)と外返し運動(足裏が外側を向く)を行う事で高められます。

簡単に行うには、手足の連動を利用したトレーニングが有効です。

足に手のひらを向けて、手の親指を背屈させながら手のひらを向き合わせます。この時に足指も同様に持ち上げると足首が伸びながら足裏が内側を向きます。この動きが内返し運動となります。

逆に手の親指と足の親指を下げながら手のひらを外側に向けると足首が曲げられて、足裏が外を向く外返し運動となります。

この内返し運動と外返し運動が拇趾球と小趾球の支点保持力や押し返し能力を高めて片足立ちは勿論、日常での骨盤誘導が適切に行われ、姿勢のゆれやゆがみが少なくなっていきます。気が付いた時に10回程度の内外の運動をするレベルで十分ですので、お試しください。

この運動を行う事で、支点の押し返しが出来てくると、姿勢改善だけでなく、足の幅や足裏にも変化が現われます。拇趾球と小趾球の間に徐々にへこみ、横アーチが現われます

子供の踊りでキラキラ星の様に、手を内外に回旋すると靱帯の影響によって、自然と手のひらが丸くなってきます。この動きが足裏の横アーチの動きや形と同様で、片足のバランス保持や両足での重心移動の初動動作に大きく影響しています

また、手の対立運動、親指と小指または薬指を近づける動きも横アーチを築く運動として役立ちます。片足立ちの際に行うと拇趾球と小趾球の押し返し反応が出る事からバランス保持が容易になります。