第12回 三点バランスインソールによる姿勢改善
いつまでも歩けることが大切です。
前項でも書いたとおり、歩けることが筋肉を活性させて、心肺機能や循環器の働きを促進しています。
ご自分の身体のバランスを理解して整えてから歩くことで、いつまでも歩ける身体がつくられます。
身体のバランスを整えることをおろそかにすると、歩行によって筋肉は活性しますが、大半の方が関節痛を発症し、逆効果となり、いつしか歩けないほどに負担をかけてしまいます。
さらに無理やり歩き続けると、関節炎から身体の歪みが強くなり、歩けなくなるばかりか、心肺機能と関節や筋力のバランスが壊れて、寝たきりとなってしまいます。
いつまでも歩ける身体をつくること、いつまでも楽しく歩くこと。
単純なことですが、これが長寿の秘訣と思います。
言いかえると、歩けるうちは生きるということであり、長寿のためには心肺機能だけでなく、循環器の働きを補助する脚部もしっかりとしていることが重要です。
身体のバランス調整もせずに、良かれと思ってがむしゃらに歩いたり走ったりした結果が、関節障害からの寝たきり老人では、あまりにも空しい結果と言わざるを得ません。
足部からの身体バランス調整
バランス保持理論は、重力に対してのバランス保持を、足裏の踵骨・親指根元の種子骨(母指球)・小指根元の中足骨(小指球)の三点を支点として整えることにあります。
少ない姿勢保持力で最大限のパワーを発揮させることを目的とし、スポーツでの潜在能力やパフォーマンスを引き出し、介護予防分野においては、姿勢保持や歩行障害を回避するための理論です。
地球上には重力(万有引力)があり、人間の体は常に地球の中心に引かれています。
そして、重力によって押しつぶされる身体を、二本の足を起点に踏ん張って押し返すことで立っています。
重力は身体の真下に向かい常にかかっているため、歪んだ身体をしていると、身体の歪みによるバランスの崩れが起こり、姿勢保持のために必要以上の筋肉を使って保持しなければなりません。
このことが筋肉痛や関節痛の原因となるばかりか、身体の歪みがひどくなると、杖や介添えが必要となるのです。
座位における骨盤調整
三点バランスインソールによる足部の安定から、立位や運動時の姿勢改善が行われ、安定した活動が可能になります。
しかし、人間の行動には「座る」という動作もあります。
座位でも立位と同様に、身体バランスの歪みは起こります。
座位での上体は、骨盤の前後の傾きや左右への傾きにより、腰椎・胸椎・頸椎が傾いた骨盤に対してバランス保持を行い、頭部が最終的な上部でのバランス保持を行っています。
身体ストレスのない生活を送るためには、足元からのバランス調整と同様に、座位における姿勢矯正を行う必要があります。
BALANCE理論に基づく「坐骨調整シート 楽座衛門」
この「楽座衛門」は、座位での姿勢バランスの問題を解決するために開発された商品です。
座位での上体の傾きを重力方向に対して整えることにより、歯の噛み合わせはもちろん、歪みから起こる筋肉痛や血行障害などに対処できる調整シートです。
特に、猫背や反り腰は上体の側弯を改善しなければ、きれいな姿勢には戻りません。
そのためにも、座位における側弯の改善が必要となります。
立位同様に強い座位姿勢をつくることで、長時間の座り仕事や運転などによる身体の歪みや疲労を改善しながら、安定した体幹を実感できるでしょう。
腰痛の大半は、立ち仕事や長時間の座位による腰椎の悪化が挙げられます。
特に、座位における腰椎の悪化の原因は、骨盤の前後傾や左右の傾きによるものが主です。
B-TRや楽座衛門を活用することで、立位でも座位でも同じように重力に対して鉛直な姿勢に近づけるため、いつでもストレスの少ない、整った強い身体を築くことができます。

