第1回 足首関節のエクササイズ 内返し、外返し
履物の踵の片減りやヒールなどの高い靴を使用している時のグラつき、膝関節の前側や内外への揺れや緩みなどを感じたことはないでしょうか。
足裏から身体を支えている姿勢保持筋の張りが失われるとこのような症状が現れます。
足裏の拇趾球や小趾球の押し返し運動が適正に行われていると、踵も含めた三支点によるバランス保持が可能となる為に、足首関節はカメラの三脚のように安定した状態となり、グラつきや膝の緩みが起きづらくなります。足首が安定して骨盤位置が正しい位置に整うことで、歩行時の爪先の向きが真っ直ぐに出て、膝や重心も綺麗に真っ直ぐな移動が行われます。
この押し返し運動が弱くなると偏平足や開帳足(一般的なダンビロ)・浮指といった足病が現れます、更に慢性的に身体の緩みが起こる為に文頭に合ったような様々な症状が引き起こされます。
良く知られている足の運動として、タオルギャザーがあります、タオルの上に足を乗せて、足の指を曲げることでタオルを引き寄せる運動です。この運動は、足の腱を引くことによって前側に向けてのバランス保持力を養います。しかし、足の甲が引き上げられる運動であることから身体の弛緩も引き起こしやすく。この運動を行う時には足指をしっかりと伸ばし張ってから、足指を曲げると言った連続が、伸展と弛緩の双方が出来ている運動になります。
今回のエクササイズは、足の内外のバランス能力や左右の足への重心移動を行うためのエクササイズで、この内返しと外返し運動が、全方向へのバランス保持を行っている重要な運動です。
内返し運動
1 足を投げ出した状態から両足の土踏まずを内側に向けるように足首を伸ばします。
2 外股・内向き足になるようなイメージで行います。
3 小趾球をしっかりと押し付ける意識が、身体の外側への移動をコントロールしています。
- 内返し運動は、左右のバランスが弱い方や外反母趾、外向き足の方に有効です。
足の親指を上に上げて、小指側を下げる体操、両爪先を内側に向けて足首を伸ばすと更に有効です。
外返し運動
1 拇趾球を押し付ける動きから爪先を外側に開くように、土踏まずを外側に向ける運動です。
2 内股・外向き足になるようなイメージで行います。
3 拇趾球への負荷の強弱で体の前後左右への移動が可能となります。外返しの運動は主に、姿勢保持を行っている重要な足裏の動きです。
- 外返し運動は、左右への移動や前後バランスに関係し、内反小趾や内向き足の方に有効です。
各運動を数回行った後に、B-TRの上に乗り、つま先立ちや足指を上げる運動を行います。
このB-TR上の運動は、足の反応や体の変化を継続させるための鉛直運動です。
足の親指を下に下げて、小指側を引き上げる体操、両爪先を外に開き、足首を曲げると更に有効です。