第4回 靴の弊害と足部運動について
上記の構造の一つ一つが体にとって好ましくない構造であることは、後日改めて書きますが、人間の足裏は、不整地や傾斜地を歩くときに足裏の各アーチが自動的に伸展収縮することで、体の重さを載せている距骨(脛骨の乗っている骨)と足首関節を倒れない安定した位置にコントロールしています。
解りやすく言うと、この人間の足の機能は、カメラの三脚を設置する時に、どのような場所でも、三脚が脚の長さや強さを瞬時に自動調整しているような機能と考えてください。
このような足の機能を携わる足裏の靭帯や腱は、体中の靭帯や腱・筋膜と繋がっていて絶えず無意識な姿勢保持コントロールを行っています。
そしてその大切な足裏の靭帯の働きを止めてしまい、姿勢保持力を低下させているのが、上記の誤った靴の考え方なのです。足と一体化させることで、フィット性や軽さなどを感じさせている反面、姿勢保持力は大きく低下してしまい、ゆがみや揺れのある体となってしまいます。当然、少ない姿勢保持筋でのコントロールができなくなり、体の外側にある運動筋まで使用しての姿勢保持となってしまいます。
運動筋まで使用した姿勢保持は、慢性的な筋肉痛からの肩こり、腰痛症、変形性膝関節症を引き起こすばかりか、循環器の働きにも影響して、今、世の中で頻繁に言われているロコモティブシンドロームや生活習慣病などに大きく起因していると考えられます。
本来は、足部の靭帯や腱が圧迫されずに機能する事で、骨盤位置の安定や鉛直でしっかりとした姿勢保持、更には第二の心臓と言われている心肺機能を補助している下肢のポンプの役割が行われている訳です。
だからこそ、靴の中で足が自由に動くことのできる自分に合ったサイズや形、体を壊さないための、体を守るための機能を持った靴選びの知識が必要となります。
先ずは、上記の項目を好ましくない構造という考え方で捉えてみてください。
本来の足の機能が整ってくると、どなたでも無意識に骨盤位置が一番楽な位置に誘導されます。更に上体までも骨盤を軸として、自分の楽な位置に整ってきます。それが鉛直な姿勢です。足元が整うことにより、誰でも鉛直な姿勢に導かれるということです。
その為にも、足裏の育成能力の高い三点バランス保持によるインソールが必要となります。