第12回 腕の可動域は足部の靭帯が影響している
各々のスポーツを行っている時の運動特徴や歩行スタイルやシニア世代の40肩、50肩等の疾病は、実は、遺伝による骨格と生活習慣などで起こっています。
どなたも生まれ持った軸足があり、その左右の軸足によって骨格のパターンが形成されて、ピッチングやバッティング動作、体の回旋運動などが、左右の軸によって真逆と言える特徴が現れます。
こういった運動特徴の大半は、骨盤の前後左右位置や前後傾、左右傾斜、左右回旋などによって上体の骨格が形成されてスポーツや日常生活の運動特徴となっています。
40肩、50肩等の疾病も加齢とともに、骨盤から腰椎・胸椎の変化が現れ、肩関節や肩甲骨の動きに
負荷が掛っているものと考えられます。
肩関節や肩甲骨の位置を作る、胸椎の前後傾や左右への傾きが、肩関節や肩甲骨に無理な負荷や偏りを
つくってしまい、腕を動かした時の運動の弱さや痛みなどの障害を発生させているともいえます。
腕を動かす関節は、勿論、肩関節ですが、前側も側方も一定角度からは肩甲骨によって動かされています。肩甲骨が可動出来る状況にあることが、腕を動かす重要なポイントです。
負荷を感じないスムーズな動きを継続させるには、肩関節が理想的な位置にある事、可動範囲を変える土台となる肩甲骨が硬化しないことが基本的な事となります。
人間の姿勢保持は、足部の靭帯から始まる姿勢保持筋によって行われています。何気ない立位の姿勢保持も、脊髄反射による足部への指示によって、骨盤位置がバランスコントロールされて立っていることが出来ています。
然し、足部の内外や前後の靭帯が何らかの影響で緩む状況や張り過ぎた状況になると骨盤の前後左右への移動や傾斜が引き起こされて、骨盤が鉛直な軸から外れてしまう為、腰椎から胸椎、強いては頸椎にまで、バランス補正が順番に行われます。これは綺麗な体幹や姿勢を作る為のバランス補正ではなく、緩んだ腱や不適正な骨盤の位置や向きによるゆがんだ姿勢補正となってしまっています。
これが腕の可動域を妨げている原因の主たる部分で、上体の前後左右への傾きや肩甲骨の動きが、腕を動かす障害となっているという事です。