第2回 重力とお付き合い
常に地球の中心に引き込まれている状況は、立っている時には足裏で、座っている時には、
骨盤で、身体が倒れないように支え続けています。
立位の時の身体は、足裏から身体中を巡る腱や靭帯と姿勢保持筋によるコントロールを脊髄による反射動作として、無意識に行っています。
勿論、座位であっても立位の時と同様に骨盤から上のこの腱や靭帯、姿勢保持筋によって無意識に保たれています。
身体の歪みが酷くなった場合や足裏からの姿勢保持が弱い場合には、無意識な姿勢保持では身体が保たれずに、自身の意識の中で運動筋による姿勢保持コントロールが行われています。これが慢性的な筋疲労や筋肉痛、関節痛に起因しています。
重力軸に対して、鉛直で歪みの少ない体を保つ程、当然のことながら少ない力で体を維持する事が可能で、無駄な運動筋を使わないことが、慢性的な疲労や腰痛、肩こり、筋肉痛、関節痛などを軽減させると考えられます。
現代の人間には、鉛直で前後左右に整った体を維持している方は、恐らくいないと思われます。遺伝と生活習慣や環境によって骨格は作られます。
半世紀以上前から人間の環境は甘やかされて来ています。特に現代の履物は足にフィットさせた物が多く出回り、多くの医学者を始め、世の中全体が足底板(医療用骨格形成インソール)を基本とした履物に翻弄されてしまい、履物メーカーは、本来の足部の構造や役割を忘れてしまっているのが現状です。
この様な構造が、足裏の足底腱から姿勢保持筋に及ぼす悪影響が大きいのですが、残念ながら、世界の常識となっているのが現状です。しかし、普通に考えて、青竹ふみの上で暮らすことも、ギブスを付けて一生暮らすことも有り得ないと思います。