第12回 重力を利用した無意識な姿勢改善と管理
身体を支える為の姿勢保持筋の反応が弱くなると、運動を行う為の外側の運動筋までが、常に姿勢保持の為に筋運動をしなくては支えられなくなり、身体的なストレスだけでなく、自律神経にまで影響し、交感神経優位な状況となり精神面にまで悪影響を及ぼしてしまいます。更には歪みが強くなると正しい足部の運動が行われない為に、循環機能を補助する役割までも衰えさせます。循環機能は、下肢のむくみや冷え症、足病などに影響するばかりか、心肺機能の補助が出来ない事による血行障害にまで発展してしまいます。
誤った構造の靴を履かないことが大前提にありますが、怪我や病気、加齢によって筋肉の総量は落ちてしまいます。筋肉量が落ちると運動は元より、歩く事まで難しくなってしまいます。いつまでも歩き続けられる身体は、鍛え続ける事で可能なのでしょうか? 残念ながら、身体の歪みを調整しない限り、どんなに素晴らしい筋肉を持っていても、只の重さとなるだけで解決にはなりません。
理由は、歪んだ体のままに無理に付けた筋肉は、歪みに対しては負担となり、姿勢を維持する為には、余計な筋力負担となってしまうからです。
結論は、筋肉を強くしても、筋肉を和らげても、骨格に対して調整しない限り、余り意味をなさないという事です。
無理のない綺麗な身体で、運動やいつまでも歩き続けられる事が理想です。
その為には、骨格を鉛直にするための調整、特に無意識にできる姿勢改善が必要です。
鉛直になればなるほど、少ない姿勢保持筋で身体を支える事が可能となり、残った力で歩き続けることも可能となります。鉛直な身体に近づく事で、各関節への負担も当然ですが少なくなり、いつまでも歩ける事が筋力を活性し続ける事で好循環に繋がります。年を取るほどに筋肉量が無くなってきますが、足元が安定して、足底腱からの姿勢保持が行われると無意識に乗っているだけでも、身体が常に楽な姿勢を求めて、鉛直に近づく為の姿勢保持反応を起こすという事です。