第8回 「変形性膝関節症」

人間は、常に地球を押し返すことで立っています。この押し返しの土台となる足裏や足関節が不安定になると重心位置が移動し、常に筋力による姿勢保持のストレスに対応しなければなりません。
筋力の低下や足に合わない履物を使用することで、さらに重心位置や骨盤の前後傾、前後左右への移動が強くなり、脚部の湾曲や変形性膝関節症を引き起こしている事をもっと重要視するべきだと思っています。

残念ながらO脚の方に対しての変形性膝関節症の保存療法として、踵の下に入れるO脚用パット(膝を体の内側に入れる)ですら踵骨の回内外など考えずに行っているのが現実で、実はかなり危険な場合もあることは知られていません。
両踵骨が回外している場合は更に膝関節に負担がかかるばかりか、内足靭帯や足関節内側への負担が大きくなります。
左右の踵骨がそれぞれ回内、回外している場合には骨盤の移動により上体に姿勢保持のためのゆがみが表れます。
いずれにしても左右の踵骨の回内外を考慮に入れた対処をすることが本来です。

運動療法においては、多少の痛みがあっても運動や歩行を行うことを勧めていますが、私は大反対です。
ヒアルロン酸などの関節注射や膝サポーターをしてまで行うウォーキングなど論外です。
一時的な大腿筋などの活性から膝関節の揺れや痛みが治まっても、関節への負担は、更に増大しているといっても過言ではありません。更に、心肺機能は高まることから要介護となった場合に、元気なのに動けないという、最悪のパターンとなってしまいます。