話題の厚底シューズについて

フェイスブックで、このシューズが未完成で危険性がある事を書きました。
タイムを縮めるといった利点が有りながら何故、危険性が伴うのかを、説明したいと思います。
根本的に既存のシューズには、内底の盛り上がりやアッパー部の足への巻き込み、踵骨へのホールド等々、人間の足部のバランス保持機能を妨げてしまう構造が当たり前となっています。この構造により体のバランス保持に必要な伸展系の働きが出来ずに、弛緩状態での動きとなってしまうことが大きな問題です。
更に、このシューズは、カーボングラファイトを使用する事で、板バネの働きを求める為に、柔らかい厚底にする必要がありました。この柔らかい厚底は、ダイエットと称して販売して問題となった某メーカーの不安定なシューズを思い出します。
不安定な厚底は、姿勢保持や運動を行うために必要以上の筋力が必要となります。
使用時に楽に感じるのは、単純に板バネと前傾の構造、シューズ内部から起こる弛緩によって、感じているものですが、継続的に使用すると、人間の足部の機能は衰えて、何れ障害を引き起こす事が考えられます。
また、一般ランナーには、更に危険なシューズと言えます。理由は踵部の厚みと柔らかさです。一般ランナーは、踵からの着地が多い為に、元々の踵骨の回内外により膝関節は誘導されていますが、より不安定な方向に動かされてしまいます。
短距離走の様につま先側から着地して走らない限り、このシューズの効果は期待できません。それどころか、勘違いにより楽さやフィット感を感じていても、その後に膝関節と股関節への障害を引き起こす事が十分考えられます。
生涯スポーツとしてランニングを楽しまれている方々に伝えたいのは、メーカーの戦略に乗せられて、話題性や興味から誤った方向に進んでしまうことです。
人間は、素足が基本です。行動範囲を広げる為にシューズが生まれました。また、硬いアスファルトでも歩けるように、シューズは変化してきています。しかし、基本は素足です。
素足での機能が弱くなると、根本的な姿勢保持や循環器系の働きまで低下してしまいます。
生涯スポーツとして楽しんでいるランニングが安易な考えで、要介護の世界に通じているとしたら大きな問題です。
素足感覚を高める事、シューズの中でも素足感覚が無ければなりません。