• 2018.9.5

2018年 第5回 理想の靴とは

理想の靴とは

人間の身体を守り、行動範囲を拡げてくれた靴、この本来の目的や機能を高める考え方から
いつしかファッションや大量販売を目的とした、足に着けるというだけの装具に変わってしまいました。

現在市場に出回っている靴で、人間の機能や生活に効果をもたらしている物は非常に少なく、
長靴や足袋、安全靴などの特殊な分野に限られると思います。これらの靴は、人間の機能の低下を
防ぎ、守る幾つかの種類ではないでしょうか。

では、一般的なシューズとかスポーツシューズは人間の機能を高めているでしょうか?
美を表現する為のヒールやパンプスが、本当に美を表現できているのでしょうか?
専門分野の靴が本当に機能を高める事ができているのでしょうか?

答えは、NOです。本来は足部の構造から姿勢保持能力や運動能力を高める事ができるのが靴なのに、
現状では、機能低下を引き起こす最悪な構造の靴が主流となっています。

理想の靴とは、靴を履いている時でも素足感覚が残り、足底腱の張りや甲の引き上がりが
感じられる事が重要です。足趾や甲、土踏まずなどに圧迫や刺激が無いことは勿論、ぴったりとした
足部のフィット感など、姿勢の悪化と共に心肺機能や呼吸系の循環機能にも影響を及ぼす事も明らかです。
足元からの姿勢保持に関わる靭帯や筋群が上記の刺激によって弛緩してしまう事が根本的な原因です。

誤った靴の「常識」
1 足裏のアーチ部分にサポート(高さ)を付ける事で、崩れたアーチを形成する。
2 足と靴をよりフィットさせる為に、土踏まず部分の幅を狭くして、靴の
アッパー部分(靴の立ち上がり部分)と足との巻き込みを強くする。
3 足の甲は、靴との一体感を作る為に、適度に押さえる事が良い。
4 歩行が楽で、つまづかない為にも、靴の爪先部分を上に上げる構造が良い。

靴は本来の目的である足部の機能を保護し、足部の運動を高める物でなければならない。
しかし、ある時期より、靴のフィット感やファッション性に重きが置かれた事により、
足部の運動を阻害する靴が登場してきました、そして現在は世界中の「常識」として
このような商品が販売されています。

1)足裏のアーチ部分にサポート(高さ)を付ける事で、崩れたアーチを形成する
足部は多くの関節により形成され、様々な筋群により三つのアーチ(足弓)が作られています、
この三つのアーチを形成している靭帯が伸縮を行う事によって、姿勢保持は元より、膝の向きや
骨盤の前後左右、回旋動作を始動し行っています。

実は、現在「常識」とされている靴やインソールのような、足裏のアーチ部分にサポートが付いて
いる構造では、靭帯の伸縮運動の妨げとなり、足底腱膜の伸展状態での慢性的な弛緩を引き起こし、
バランス保持が困難となるばかりか、筋疲労や身体ストレスの原因となり易く、将来的に加齢による
筋力低下が始まると歪みや歩行困難となる事も考えられます。また、「第二の心臓」言われている下肢の
筋運動が低下すると冷え症やむくみ、心肺機能への負担も多くなります。

2)足と靴をよりフィットさせる為に、土踏まず部分の幅を狭くして、靴のアッパー部分(靴の立ち上がり部分)と
足との巻き込みを強くする。靴の土踏まず部分を狭くすることで、靴のアッパー部分を足に巻き込み、フィットさせ
ることが出来ます、多くのシューズメーカーは、ランニングシューズやサッカーシューズなど、この考え方を根拠に、
製作販売しています。しかし、この足への巻き込み構造が、疲れや障害を引き起こす体のゆがみに起因している
ことは、あまり知られていません。

足の親指の付け根にある母指球と小指の付け根にある小趾球の間には、横足弓、俗に横アーチと呼ばれている足部の
バランス保持の為の構造があります。この横アーチは、足部関節と横アーチの支点(母指球と小趾球)と踵骨を結ぶ内と
外にある縦アーチの関係で成り立っているもので、三つのアーチが同時に機能することで姿勢保持や衝撃吸収、静脈の
循環促進が行われています。土踏まずの幅を狭くしたり、アッパー部分の巻き込みを強くすることで、足部の靭帯の伸縮
運動を妨げ、横アーチを形成するための中足骨(中間部分の指骨)を押さえてしまい横アーチが形成できなくなり、
自動的に膝関節の左右への揺れを引き起こしてしまいます。言い換えると不安定な下肢がとなる為に、筋肉に頼った
脚部運動となり、継続使用することで、筋ストレスは勿論、膝関節症や腰痛症の引き金になるということです。

3)足の甲は、靴との一体感を作る為に、適度に押さえる事が良い。
上記と関係する内容ですが、アッパー部分の巻き込みと同様に、靴ひもの締めすぎが、足部の上方向への靭帯収縮に
よる弛緩を妨げて、足の持ち上がる運動を阻害してしまいます。靴ひもを締めるほど、靭帯が伸展状態で慢性的弛緩となり、
足部の上下運動も出来なくなる為に、足部のバネ機能や姿勢保持力が低下し、外側の筋力に頼った姿勢保持が行われるこ
ととなり、それが、過度な筋肉痛や持久力の低下、関節障害などを引き起こしている訳です。

4)歩行が楽で、つまづかない為にも、靴の爪先部分を上に上げる構造が良い。
各メーカーが指導している歩行時の踵から歩く歩行理論が、人間の足部の機能を守り、活性させる為の物ではなく、靴の為に
行った様々な上記の構造による弊害となり、その結果が足部の機能を妨げて、踵からの歩行やつまづかない為に爪先部分を
上げる構造となってしまった様です。爪先部分が上に上がっている事で、最後までキックすることや浮き指(反り指)となる事
からその後の足部の弛緩まで妨げてしまい、逆につまずく現象が起きやすくなります。更に、元々の各人の歩き方は、
各アーチの状況による踵骨の向きや骨盤の前後傾、左右傾、股関節と大腿骨の関係などによって歩行運動が形成されて、
様々な歩き方をしているのが現状です。本来足部には、バネや伸展運動が備わっている為に、はだしの状況では、
人間は爪先側から着地して歩くように創られています。そして、この歩き方こそ、誰でも真っ直ぐに歩く事が可能な歩き方であり、
体を守れる歩行だと考えています。

現在の「常識」となっている流行や過度の満足感ではありません、人間にとって大切な靴やインソールとは、
立ち続けられる為の足裏の機能や運動を阻害しない事、そして、足裏のアーチや下肢の筋運動を活性させる事、
それが「良識」なのです。

理想の靴は、足部の伸縮や上下運動が自然に行える靴であり、体を守り、運動機能を発揮させる為の構造をもった履物です。

靴選びのポイント
1 足長より0.5cmから1.0cm位の長さを足した靴(大き過ぎる事も×)
2 足幅や足囲(親指の付け根と小指の付け根の周りの大きさ)のあった靴
3 足指が靴に当たらない、足指形状に合った靴
4 靴の曲がる場所が、靴底の1/3位の親指の付け根と小指の付け根付近にあり、
柔らかく曲がる靴
5 4の靴を曲げた時に、上側部分が極端に潰れない靴(指を圧迫しない)
6 爪先から拇趾球・小趾球に掛けて靴がしっかりとした強さを持った靴
7 爪先が余り上に持ち上がっていない靴(靴底の平らな靴)
8 足裏の当たる部分が、平らで部分的に持ち上げられていない靴
9 土踏まず付近が狭くなく、足が締めつけられていない靴
10 足指を曲げても甲が押え付けられない靴
11 試し歩きで、踵が浮き上がらないホールドのある靴
12 試し履きをした時に、足に窮屈感が無く、拇趾球・小趾球を感じ易い靴 
13 安定性、保温性、消臭抗菌、安全性、重量 等など

身体を守る
正直な見解として、三点バランス保持理論をベースとしたB-TRやストレを使用しない
限り、本来の姿勢保持力や人間の持っている体の機能を理解する事も出来ないでしょう。
何世代も前から壊れた足部が遺伝している現状で、人間の足部機能を復活できる方法は、
三点バランスインソールによる衰えた足部の活性しかありません。素足感覚を高めて、
足に余計な刺激を与えない靴を選ぶことが健康な生涯への近道です。

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