• 2017.6.30

第7回 姿勢保持筋のエクササイズ 

第7回 姿勢保持筋のエクササイズ 

人間には、脳から指令をだして意識的に動作を起こす事の出来る随意筋(運動筋)と無意識に心臓や他の臓器の運動を行っている不随意筋があります。一般的な筋力トレーニングやストレッチ運動などに関係しているのは随意筋(運動筋)です。また、同様の随意筋でありながら三半規管や身体を巡る神経と脊髄反射によって無意識に姿勢保持を行っている姿勢保持筋(インナーマッスル)や反射動作を行っている随意筋も有ります。 

この姿勢保持筋は、足裏の足底腱から始まり、腱や靭帯・筋肉をリレーして体中を巡って姿勢を維持コントロールしています。通常の立位での姿勢保持は元より、体の傾斜に対しての対応や運動時の体幹維持など、足裏の足底腱を収縮・弛緩させる事により膝関節や骨盤の位置を誘導する事で行っています。

しかし、足元が不安定な状況になると膝や骨盤での誘導ができない為に姿勢維持は元より、体が弛緩し易い事からゆがみが現れ、立っているだけでも余計な運動筋を使い姿勢を保つ必要が起きてしまい、慢性的な筋肉疲労から結果的に様々な疾病となって現れています。

また、人間の身体の重心位置(体の軸)は、左右どちらかの足に寄っています。片足立ちでバランスを保った時に、左右の足で、微妙にバランス保持姿勢が違うのは、この左右のどちらかに軸を持った骨格形状から起きているバランス保持と言えます。

勿論、理想はゆがみの少ない筋肉や関節にストレスが掛かりづらい鉛直な姿勢です。
この身体のゆがみが少ない、無理・無駄の少ない鉛直に近い姿勢とは、少ない筋力で長時間立っている事や荷物を無理なく持てる体幹や反射能力を持った姿勢の事を指しています。

このような姿勢に導くには、膝や骨盤位置を正しい位置に誘導できる安定した足元の土台を築かなくてはなりません。そして、鉛直で綺麗な姿勢を維持する為には、前後左右の姿勢を保っている腱、靭帯、筋肉群が、理想の姿勢で拮抗状態になる事が望まれます。

この姿勢保持筋のエクササイズ方法とは、理想とする姿勢を形作り、手足の腱に張りを作る事で行います。直接、足の裏で意識的に反応を起こすことが難しい為に、足部と同様に姿勢保持筋をコントロールしている手のひらの腱を張る事で、姿勢を保持継続させる為の姿勢保持反応を引き起こす事を勧めています。

手のひらの腱を張るように指導すると、大半の方が手の指が反り返った手のひらとなります。左右同側の手と足の腱は、同調関係にあるので、このような手のひらの張りを行う方は、その手側の足の裏のアーチ(特に横アーチ)が弱くなった開帳足となっている場合が殆どです。
理想とする手のひらを張るエクササイズは、個々によって違うのですが、基本的な手のひらの張り方はソフトボール位の大きさのボールを手に持った形を作ります。少し丸みを持った手の構えで、しっかりと腱の張りを感じることで、鉛直な姿勢の継続が期待できます。
この時に手の指を大きく広げ過ぎると必要以上に足指までが開かれてしまい、足の横アーチが弱くなる為に、靴や足の幅以上に手を広げ過ぎないこともポイントです。

次に必要なエクササイズは、呼吸法とドローインです。普通に呼吸法というと腹式呼吸による横隔膜の移動と運動筋による外部からの腸への刺激といった内容になりますが、この腹式呼吸だと姿勢保持筋の弛緩や骨盤後傾を引き起こしやすく、私はお勧めしていません。

ここで行う呼吸法は。ドローインとの併用で肺に空気を吸い込むと横隔膜が下がりますが、肋骨や胸部を拡げる事で、下がる動きを少なくして、次に口から吐き出す時に腹部のドローイン(お腹を出来る限り凹ます)をしっかりと行う事で、横隔膜を更に高い位置に引き上げるように意識します。
通常のロングブレスで鼻から4秒程度で吸い込み、肺に空気を入れて膨らませます。一呼吸おいてから腹部のドローインと共に口から細く長く5秒程度かけて息を吐きだします。
身体の中心を通っている背骨が真上に引き上げられる様な感覚を感じられるとベストです。

通常の腹式呼吸とドローインと併用した呼吸法では、明らかに姿勢に変化が現れます。通常の呼吸法では息を吸ったときに腹部を大きくする為、また吐いた時にも脱力と共に筋弛緩が起きてしまい、脱力感と共に姿勢の悪化が現れます。

ここで求めている理想とする手のひらで張りを作るエクササイズと呼吸法では、頭や胸が上に引き上げられる為に姿勢に張りが生まれ、心肺機能を活性すると共に、年齢と共に衰えやすい腹筋力や背筋力を高める効果も期待できます。

日常からの姿勢改善に効果的なエクササイズですが、特に姿勢に崩れを感じた時や体の体幹が弱く感じた時に行うと更に有効です。

bana

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