2019コラム第9回 理想の立位と座位でつくる健康姿勢とは

2019年 HBBT コラム9

理想の立位と座位でつくる健康姿勢とは人間の背骨は、横から見たときにS字カーブを描いているとか、前から見た時に体が正面に対して、真っすぐになっている事が良いとか言われています。でも現実は、どなたでも前後左右に色々な方向にゆがみを持った姿勢をしています。

本来、理想とする健康姿勢は、鉛直に近い姿勢です。理由は重力によるストレスが極力掛からない姿勢だからです。当然、少ない姿勢保持筋で体を支えることが可能となるからです。言い換えると、体のゆがみや前後左右への移動が少ないと、無駄なバランスをとる運動筋の使用も少ないということで、慢性的な筋肉痛や腰痛、関節への負担も軽減します。

 

無理無駄のない姿勢は、正しく下肢や上肢を運動することが出来るために、循環器系の働きを補助する役割や運動能力を高めることも可能となります。更に姿勢が整うことで、呼吸器系の働きも円滑に導くことが可能となります。立っている時には足部の基底面で、座っている時には坐骨をベースとした基底面で骨盤の移動や上体の鉛直方向への姿勢保持を行う反射動作が必要となります。

意識的に行う姿勢保持や姿勢調整は、脳からの指示による運動筋を使った調整動作となります。これでは筋疲労やストレスを大きくするだけです。理想とする姿勢づくりは、脊髄反射により、無意識に行わなければ、高いレベルでの鉛直姿勢・健康姿勢を築き維持することはできません。

 

方法は立位、座位の基底面での土台を安定させて、骨盤や腰椎・胸椎を無意識に、一番楽な鉛直方向に誘導させることです。本当に楽な姿勢は、重力に対して真っすぐに立つ姿勢、一番楽な座位は、

上体が重力の負荷を受けない、真っすぐな姿勢で座ることです。その姿勢に誘導できる事を条件に、土台を安定・活性させることが、健康な姿勢を築く最大のテーマであり、唯一出来るサポートです。