第11回 寒い季節のエクササイズ

第11回 寒い季節のエクササイズ

寒い季節になると寒さに身が縮こまり、身体を前側に小さく湾曲させて丸くなろうとします。
動物は危険を感じ、身体を守ろうとするときに大切な部位のある前側に身体を丸め込みます。
筋肉や腱の働きが強張り、血流も筋運動の低下から暖かい時よりも、手足の末端への流れが
悪くなっています。

こんな時には手足の末端の血流を活性させて、手足の血行不足による冷えから解放してあげましょう。先ずは、腕を伸ばして手を振ります、数回振った段階で、しっかりとジャンケンのグーを作り、その後、手のひらをいっぱいに広げたパーを作ります。パーにした時には
身体の血液が指先まで流れていく事をイメージします。この運動を数回繰り返します。
手のひらが赤くなってきますので、交互に手のひらで反対側の手の甲や指を温めます。

この手の運動と同様に足も運動を行います。つま先を右回り、左回りとぐるぐると回旋させます。何回か回旋を行い、その後に足の甲を脛に近づけるようにしっかりと曲げます。
そして、手と同様に足をしっかりと伸ばしてパーをつくろうとします。(イメージでも充分)
このように手足のポンピング運動を行う事により、心肺機能を補助する事にも繋がり、心肺の疾病のリスクを回避する事にも繋がる運動と言えます。

この段階では、身体の前側の縮こまりは無くなり、胸も開いていると思います。
次に行う運動は、横隔膜を上に引き上げる運動です。様々な要素から腹圧が落ちると、吊られている内臓が下腹部に落ちて、横隔膜まで落ちてしまい姿勢の悪化に繋がります。
その為にも、息を吸っても、吐いても上に引き上がった横隔膜にすることが、心肺機能を
高めて血行不良も改善させる近道となります。
方法は、腹式呼吸(スローブレス)とドローインのミックスです。両手をお腹に当てて
1 鼻から息を4秒程度で吸い込みます。この時に胸を膨らませてお腹を凹まします。
2 1・2秒止めて、口から細く長く息を4・6秒位かけて吐き出します。
3 吐き出す時に内臓を落とした弛緩にならないように両手は、更にお腹を押し込みます。
4 この呼吸法は仰向けに寝ている時の方が姿勢や腹部のイメージを作るのに有効です。

末端からの冷えに対応するのと同時に、姿勢を整える事によって身体を巡る血液の流れを
良好にすることができます。循環機能の安定は、自律神経の働きも整えて、寒さから来る肉体的なストレスやうつむき姿勢がもたらす、日常のイライラや倦怠感・うつ感などの精神的なストレスも排除する事にも繋がります。

bana