第10回 「第二の心臓」「第三の心臓」

「第二の心臓」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?人間の下腿、特にふくらはぎの筋運動の事です。心臓の循環機能の補助として、静脈やリンパ管を通じて下肢の血液やリンパ、水分を上部に運ぶポンプの役割をしているからです。立位や歩行などによって、足裏の足底筋を使用することにより、ふくらはぎの筋運動が活性されてポンピング効果が起きています。

 

私は、この「第二の心臓」と同様に、両腕の前腕の筋運動を「第三の心臓」と考えています。

元々は四足だった人間は、前足と後ろ脚で体幹を支えていました。その関係から、今でも

人間は手と足によって、体幹を支えて姿勢保持を行っていると考えています。

足裏の靭帯から始まるふくらはぎの循環促進機能と同様に、手で物を掴む動作や手を張る動作も姿勢保持と心臓への循環機能を補助していると考えています。

先日、AFP=時事で、カナダ・マクマスター大学が、心臓発作や脳卒中の発症リスクを判定する手段として、握力検査を用いる事での可能性を示す研究が発表されたそうです。

握力が弱くなると心臓発作や脳卒中のリスクが高まるという内容です。未だ、研究途中ですが興味深い内容と思っています。手を握る動きは前腕の筋肉によって行われています。

この前腕の筋運動が「第三の心臓」として活躍していると考えています。