第1回 四足から二足歩行へ

このように動物が単純に立ち上がるレベルではなく、様々な部位に変化が起こり、今日に至っています。それでも未だ、四足の名残が尾骨や腕などの体毛の生えている向きに残っています。足部(後足)が骨盤の前後左右への運動を行い、手(前足)は腰より上の高さでは上体の運動に、また腰より下にした時には、脚部の運動に影響を及ぼしています。

実は、人間の手足は未だに、四足の時の姿勢保持を行っているのではないかと考えています。

手の腱を稼働させる事で、足部が同様に反応し合い、内がえしや外返しの動きを行う事も可能です。

手のひらは身体の前面、手の甲は身体の背面の腱や筋肉の反応を起こし易くしています。

プロテニスプレーヤーの錦織選手の場合、左手のひらの腱を張る事で、上体の安定とストローク力を高める事を可能としています。手の腱は、様々なスポーツシーンで体幹を感じさせて、姿勢保持や運動のレベルを高める為に、無意識の中で使われています。

姿勢保持力を高める事は、手のひらを張る事で訓練できます、膝が曲がってしまった歩行や猫背の姿勢改善にも、この運動が役立ちます。また手を握る運動は、逆に筋肉を弛緩させてしまい上体や姿勢保持の反応を弱くしてしまう事もありますのでご注意ください。

脚部の運動能力の向上は元より、脚部の弱った方の機能活性にも手のひらの腱を伸展させて、身体の姿勢保持の反応を高める事をお勧めいたします。

bana