第6回 姿勢保持とは

重力とか引力という言葉を聞いたことがあると思います。
地球上の物質の全てが、地球の中心に向って引きこまれている力です。
人間が立つということは、常に引かれるこの力に対して、
土台となる足部から押し返すことによって立っています。しかし、これだけでは、
体を起こしただけで維持する事はできません。人間は、止まっているときの足元を
基底とした「静的バランス保持」と動いている時の骨盤を支点とした「動的バランス保持」を
行っています。
「静的バランス保持」とは、止まっているときに、足部の靭帯が反応することにより、
骨盤位置を移動させることで姿勢保持を行っています。また、「動的バランス保持」は、
骨盤を支点として、脚部が移動することによって姿勢保持が行われています。
一輪車で腰から上体を安定させるために、タイヤを前後に移動している運動と同様です。
「動的バランス保持」は、常に動いていることで腰から上を安定させています。
言い換えると動き続けている限り倒れないということです。
しかし当然のことながら、足を止めたとき、足が止まった時に、「動的バランス保持」から、
「静的バランス保持」への切り替えが必要となります。この時に、足部からの姿勢保持力や
股関節の硬くなった高齢者が、この姿勢保持運動の切り替えが出来ずに支えが必要となる訳です。