第6回 「アーチは形成か?育成か?」

「足部の振動吸収力の変化」
足裏の三つのアーチには、車の車体を支える板バネの役割が有る事を書いていますが、柔軟な足裏のアーチはしなやかな足部の動きで、歩行時の大きな負荷を和らげる事が可能です。
しかし足部のアーチが崩れたり、固定される様なインソールを使用した状態が継続すると、足裏のバネによる振動吸収力が妨げられて、ダイレクトに足首関節、膝関節、股関節などに反発力がダメージとなって現れます。
二足歩行を行っている限り、この三つのアーチ全てが必要であり、柔軟な上下動が行われなければなりません。
適正な身体バランスの調整は、この全てのアーチの支点を活かし、本来の上下の運動を行い易くすることで、バネとしての働きを高める事が可能となります。

「蹴りだし運動の変化」
適正な身体バランスの調整が行われると、歩行時に足部の向きが前方を向き易くなります。
そして、脚部は膝関節が爪先に向かって出ていく理想の歩行となります。
踵から着地し、各アーチが機能して、爪先から蹴り出された重心の移動運動によって歩く訳です。
各アーチの上下動が適正に行われた歩行こそ「第二の心臓」といわれる下肢の運動であり、綺麗な歩行だけでなく、本来の脚部を役割を十分に果たすことのできる歩行スタンスと蹴り出し運動となります。

「循環器の活性と治癒能力の変化」
一般的に循環器が活性すると心肺への負担が軽減し、その血流により治癒能力が高まるとも言われています。
調整された身体バランスによる運動での、目に見える変化としては、足裏の動きが活性されて下肢の運動が行われる為に、むくみや冷え症等の症状が緩和され易く、足部だけでなく、身体全体の歪みが軽減される事による、姿勢の安定や綺麗さが、精神的な面でも、自信となる事は言うまでも有りません。