第3回 人間の骨格と歩行について

四足動物の後足と人間の脚部では、踵位置の違いから、股関節、膝関節、足首関節の位置が

大きく異なります。四足動物の後足は、元々、腿が横になっている為に、膝を伸ばすだけで

爪先を大きく前に送り出して、爪先を掻くだけで、前への推進が可能となります。では人間はどうでしょう? 人間の大腿骨は鉛直に立っている為に、足を大きく前に出すには不向きに出来ています。地面からの各関節の向きや角度・筋肉から推測すると、四つ足動物の後ろ足は、後方にける運動が行い、人間の脚部は、足部を土台として骨盤を前に移動させる運動が行われていると考えられます。

TV等でのドクターやシューズメーカー・スポーツショップなどで説明されている大股で、

姿勢よく踵から着地して歩く歩き方は、ファッションやフィット感を重視した機能の靴から必然的に起こった現象であり、実は身体を壊す危険な歩き方と考えています。

靴に関する話は、来月のコラムで詳しく説明します。

人間が四足動物と同様の関節の使い方を行った場合、身体が起きている為に、腿上げと足踏みしかできません。足を前に出す為に、股関節から大腿骨を前に降り出しても限度があり、大きく出すと骨盤の後継が現れます、歩行時にはベースとなる骨盤が安定していなくてはなりません。骨盤が後傾すると上体の体幹が緩み、姿勢が崩れて危険な歩行となります。

更に、踵からの着地は、足部のバネ機能を使えない状況から踵骨に対しての障害を引き起こし易く、股関節と踵骨の運動範囲や左右の軸位置の関係から歩行時の膝関節の内外への不安定な歩行運動が行われる為、一般的に説明されている踵、小趾球、拇趾球の順番で荷重移動を行うローリング理論といったような歩行にはならず、内向き足や外向き足、外股や内股、O脚、X脚といった身体の症状が一気に現れた歩行となります。