2019コラム第5回 座位における障害の発生原因

座位姿勢は基本的に立位の骨盤の前後左右位置や傾斜がベースとなって座っています。
立位の場合には、骨盤を移動させる事でバランスを保持しています。然し、座位では骨盤が土台となっている為に、移動させる事によってバランス調整できる部位が無く、骨盤回りの筋群によって上体を下部から支えるように保持しています。当然、骨盤にかかる負荷は、立位の数倍の負荷が掛っています。

 

座位姿勢も立位同様の歪みを持っている事から日常的に上体の回旋や側弯、前後弯といった上体の揺れや脱力による弛緩が発生しています。少しの間の脱力やそれによる腱や筋肉の緩みは良いのですが、時間の経過とともに、姿勢を保持コントロールしているインナーマッスル(姿勢保持筋群)では、対応しきれずにアウターマッスル(運動筋)も活用する事で上体の維持を行うようになります。

 

この運動筋により体を支える慢性的な筋疲労や重力負荷に対しての余計な筋使用が、腰痛や肩こりといった疾病は勿論、不安定な座位姿勢による活動は、手足の関節運動に対しても大きな負担となってきます。元から持っている体のゆがみを鉛直方向の座位姿勢に導かない限り、常に抱える問題と考えます。座位の骨盤は、前後傾や左右傾により座骨位置に変化が起こります。また仙腸関節からの左右の前後傾の違いによって現れる腰椎の回旋も上体の変化に大きく影響しています。

 

誰でも必ず腰椎に前後左右の傾きがあり、左右どちらかに回旋をしている状況から胸椎にかけての姿勢保持反応が腰椎と逆側に傾く現象となって現れます。この座位の姿勢改善や重力による負荷軽減を行う為に、上体の患部にアプローチを掛けても根本的な解決にならないのは、座位における骨盤の向きや角度を正して、坐骨位置を整える事で、腰椎を正しい位置に設定する必要があります。

 

弱った筋肉を鍛えて支える力を強くするのか、骨格を鉛直方向に導き、少ない筋力で姿勢を維持させる事を指導するのかによって、生涯における座位姿勢に大きな変化が表れます。世界中で一番、座位の時間が多いと言われている日本人が座位の姿勢をコントロールする事は勿論、座位の筋力負荷やストレスを感じさせない対応が、日本人にとって重要なこれからの生き方と考えます。

 

「坐骨調整シート 楽座衛門」は、日常の座り疲れの緩和だけではなく、生涯に向けて、理想の座位姿勢を無意識な姿勢保持反応を引き出す事によって綺麗な座位姿勢に導きます。