2018年 第2回コラム靴が引き起こした危険な歩行

靴が引き起こした危険な歩行
現代に於ける靴の発達は、スポーツ、美容、健康等の専門的な分野から、様々なファッションの一部となり、勿論、靴を使用する事が世の中の常識となっています。そして、多くの医師や治療家、スポーツメーカーが推奨している歩行が、姿勢を正して、脚部を振り出して、大股で踵から着地して歩く歩行です。
 
何も知らないユーザーは、先生方やスポーツ店などの店員さんの言われるままに、危険な歩行指導を受けて、どんどん身体を壊している事も知らずにいるのが現状です。誤った構造の靴は、人間の本来の素足の機能(姿勢保持機能、循環促進機能、運動機能)を低下させてしまいました。
 
安価な開発からのアウトソールやフィット感を売りにした構造、足関節の運動を阻害した上で、ローリングさせる靴底の形状、等々。上げたら限がない程、足部にとって悪影響のある構造が多く、更には、誤った靴により起こった履き方や歩き方に繋がっています。
 
どなたでも足踏みや縄跳びで踵から着地する事はありません。また、どんなにフィットして気持ちの良い青竹踏みでも、長時間その上にいる事は出来ません。
 
更に靴ひもをしっかりと締める事で足部の運動が阻害されて、持続力や運動能力そのものの低下が引き起こす、上記の様な踵から歩く歩行は危険極まりないと言えます。足部からの弛緩を誘発する構造や膝関節の緩みを引き起こす履き方や歩行が、変形性膝関節症や腰痛症は元より、体そのもののゆがみを促進させてしまい、更には、心肺機能や循環機能の働きまで影響を及ぼした疾患に起因しています。
 
残念ながら現状での靴の考え方は、真逆の方向に向かっています。高い靴程、使いこなす為に筋力を必要とするなど、有り得ません。フィット感の強い靴、締め付けや足裏を感じる靴程、怪我を引き起こしやすく、運動能力の低下を引き起こしています。より素足に近い構造で歩行できる事、人間の機能を更に高めて、疲れないで大きな運動力を
引き起こす事ができるのが、本来の靴です。
 
少ない姿勢保持筋で綺麗な姿勢で、常に姿勢が安定して保持される事で、運動筋は潜在能力の限りを発揮させる事ができます。
 
テレビの健康番組などで、有名な医師が、普通に治療でもないのにシューズフィットタイプの中敷きを薦めています。(足底板・足部の形成を行う為のギブス代わりの中敷き)歩行に至っては、靴の歴史や構造の勉強もした事の無い医師が、歩行の原理や現在の歩行の理由も知らないのに、歩行方法を語るという最悪の展開です。スポーツ店に至っては、更にメーカーの回し者であり、誤った構造の物であっても、あたかも高機能で、体の為に良く、運動能力も引き上げるかのように説明しています。
 
自己管理なのです。本来自分の身体は自分で守る物なのです。解らなければ、どうしたら守れるのかを学ばなくてはなりません。更に履物の事、身体の事をよく理解された方に指導を仰ぐことが理想です。身体は、足部から姿勢保持により骨盤位置や向きが決定されて、姿勢が出来上がっています。素足で歩くような感覚が大切なのですが、何世代も前から靴による弊害が始まっている訳で
 
今更、素足で生活しても効果は期待できません。足裏の三点支持部を感じ、更に足底腱膜からの姿勢保持力を高める事が、これからの自分を守り、綺麗な姿勢でいつまでも歩き続けられる身体を持つことに繋がります。
左右のインソールで、足部が自由な動きが出来るのはどちらと思いますか?
 
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