第6回 スポーツ障害の本当の理由

スポーツにおける怪我や傷害には、様々な種類と原因がありますが、その根本的な原因と

なる環境、骨格や精神面、更に人的な原因、用具などの原因を整理したいと思います。

 

A 各種の障害の原因となるもの

1 環境が原因となる場合

スポーツ施設、スポーツ団体、ビジョン、資金

 

2 人的な要素が原因となる場合

相対スポーツ(格闘技、ハードスポーツ等)、チームワーク、

 

3 用具が原因となる場合

スポーツ用具、シューズ(サイズ、形状、素材、強度、重量、技術レベル)

靴や用具の安易なデザインや開発、使用方法が怪我の原因(ファッション化、知識不足)

a 技術レベルに合った用具の使用

b 体幹が緩みやすい用具やシューズを使わない(アーチフィットタイプ)

c シューズの紐は、足が可動出来るレベルで締める

d ふくらはぎ、前腕部、足部アーチ部分への締め付けや刺激は危険

e 長時間の骨盤ベルトや着圧の強い衣類は危険

 

4 骨格形状が原因となる場合

骨格形状からの障害、慢性的な筋肉疲労、関節可動域の減少から起こる障害から

身体を守り、運動能力を引き出すための体の仕組み(腱・靭帯・筋膜)を理解

a 個々の骨格形状からの運動特徴の長所と短所を把握

b 事前に障害を起こし易い部位や身体運動を理解させる

c 守る事の出来る構え、攻める事の出来る構えの理解・確認

d 各関節の可動範囲に合わせた最小限の動きと最大限の動き

e 足部の機能低下による運動障害や姿勢保持力の低下を防ぐ

 

5 指導者が原因となる場合

各関節の可動域や骨格形状からの運動特徴の理解不足

指導者の指導方法が原因となっている場合(受け売り、過去からの誤った指導法)

a 基本的な運動理論を理解しているか、身体のメカニズムを理解しているか

b 勝たせる為の指導、生涯スポーツとしての指導、余暇活動に対する指導(位置付け)

c 勝敗に対しての拘りと指導は別の物、

d 行うスポーツ、見るスポーツ、支援するスポーツ

e 自分の為、家族の為、支援者の為、国の為、(支え・責任の大きさ)

f 本来のスポーツ指導者は運動を教える、誤った指導者は技術を教える

 

 

 

B 準備とケア

1 準備運動とストレッチ運動の違い

a 準備運動は筋収縮や関節運動を反射的に行えるための準備行動

筋肉使用量やスピード、運動範囲の確認と運動イメージの構築

 

b ストレッチ運動は、関節の可動範囲の確認や腱の伸展運動に対しての準備行動

事前ストレッチ ⇒ 筋肉の伸展収縮に向けて腱や靭帯の動きを確認

事後ストレッチ ⇒ 硬くなった筋肉を解すための運動

ストレッチ = 気持ちが良い(筋弛緩)= 姿勢保持力の低下 = 運動時は危険

 

2 一般的なストレッチ運動とは、準備運動と事前ストレッチと事後ストレッチが

区別されていない為に、単純に筋弛緩運動となっている場合が多く危険を伴う。

事前ストレッチは、最低でも30分前、理想は、1時間位前に行う。

事後ストレッチは、終了後、直ちに行う事が望ましい

 

C 体の緩みが怪我の大きな理由

スポーツ障害の殆どが、プレーに入った時間帯又は昼食後に多い、その原因の多くは、

直前のストレッチやリラックス運動にある。昼食後の時間帯も満腹感や血液の流れから

集中力の欠如や筋弛緩によるものと思われる。

 

適度な緊張感や前後左右に拮抗した腱や靭帯・筋膜が適度な張りを持ち、反射運動が高い

レベルに維持されていることが重要となる。

a 緩んだ体に張りを持たせる手法

現状では足部の足底腱を活用した手法以外見当たらない。姿勢誘導などで一時的な

鉛直姿勢や体幹の反応を作ることは出来るが、移動と共に解除されてしまう。

 

現状では、三点支持と足部への適度な張りを作ることが有効となる為に、B-TRを

活用した体幹形成と姿勢保持力の向上が、傷害対策や障害予防に向けて重要と考えます。

B-TR以外の履物やインソール上では、この体幹や姿勢保持感覚を作り、維持する事ができないという事が明白な為、B-TRはスポーツを行うときの必需品となり得ると考えています。

 

b 強い体幹を築く為に行う弛緩からのリセットとは(B-TR上)

ⅰ 足踏み、踵の上下による足底腱への刺激

ⅱ 足指の背屈による足底腱への刺激

ⅲ 手のひらを張ることによる足底腱への刺激

 

 D まとめ  

姿勢保持筋の使用量を少なくさせる事で、運動筋の活動量が変化する。姿勢の悪化は

運動筋まで姿勢保持に使う為、慢性的な筋肉痛や障害を引き起こす原因となる。