第2回 人間の骨格と運動特性について

人間の生まれ持った骨格(姿勢)の特徴は、同一族の数世代の骨格の特徴と略同様であることから、遺伝による骨格形成がメインとなり、一生の中で骨格の大きな変化はしないと考えられます。

運動特性も片寄った運動や生活習慣によって、関節の可動範囲や筋肉の質が変化する事はあっても、人間の骨格と関わる運動特性は、基本となるDNAが変わらない為に、幾つになっても変わらぬ運動特性を持ち続けるという事だと思います。

 

日常の行動やスポーツを行う時に、人其々に運動を行う中で現れる動きの特徴やリズムなどの違いが現れて、一般的には癖と言われています。

これは各々の骨格からの軸足や体幹、骨盤の前後左右の位置や傾斜、腰椎や胸椎の曲りや回旋などの要素により、運動の特性が現れているものです。

 

人間の骨格には、前から身体を見た時に、骨盤や重心が右足の上にある「C字型体型」と左足側にある「逆C字型体型」が有ります。

そこから上体での姿勢保持反応の加わった「S字型体型」、「逆S字型体型」、左右への「傾斜型体型」、傾斜体型からの「傾斜側弯体型」、などの数種類の骨格のパターンが現れ、其々の骨格パターンに基本的な運動の特性(ルール)の様なものが存在します。

更に、骨盤の左右位置による重心軸や骨盤の前後傾、前後位置、足部のアーチの関係からの骨盤の回旋、脚部の形状などが、骨格パターンの基本特性にプラスされて、その方の骨格からの基本的な運動特性となって運動を行っています。

 

具体的には、骨盤位置と重心位置によって軸足が決定されます。常に重心は軸足を中心に荷重した生活を行っている為に、軸足には、いつでも足を押し返す能力があります。

咄嗟にステップを踏むときの蹴り足となる足で、こちらの軸で踏み出す動作は遅れる特徴があります、また走っている状態から急停止した場合の前側で止まった足となります。

常に腰の位置する軸がある為に、荷物を担ぐ時や持つ時もこちら側で行うようになります。

 

更に、骨盤の前後左右への傾きによって、腰椎や胸椎にバランス保持の為の傾きが現れます。

この関係から、「C字型体型」の場合、骨盤と重心が右足上にあり、腰椎胸椎は左足の方に傾きやすくなります。

上体の回旋運動を行うと左側下がりの動きになり易く、バットスィングではダウンスィングの傾向となります。

逆足の左足に骨盤と重心の位置する「逆C字型体型」の場合、バットスィングはアッパースィングとなる傾向があります。

更にスローイングでも軸足の違いと上体の傾斜によって、オーバースローやスリークォーターの違いは元より、脚の踏みけりの強さも大きく変わります。